大学日本代表の細野晴希投手(4年=東洋大)が歴史を塗り替えた。

5回に5番手で登板。2者連続空振り三振の後の3人目、緒方への4球目だった。高めに抜けた直球が158キロをたたき出した。自己最速を3キロ更新。記録が残る神宮や甲子園での高校・大学の大会に限ればアマ左腕最速となった。東京ドームのどよめきは、しばらく続いた。

緒方は右飛に仕留め3者凡退。今秋ドラフト1位候補の力を十分に発揮したが、本人はいたって冷静だ。「出力的には上がってきたなというのはあるけど、まだバットに当てられたりファウルにされたりしました。まだ改善できる」。進藤のサインで13球のうち12球が直球。1イニング限定でリミッターを外し、腕を振った。「変化球を投げたら、もっと楽だなという場面もありましたけど、真っすぐだけのピッチングも自分なりに楽しかったです」と明るく振り返った。

大学ラストとなる今秋の東都リーグ戦は1部復帰で迎える。春先より状態が上がったのは、トレーニング量の調整がうまくいったこともある。「いい状態で投げられました。出力が上がっているか確かめたかった。秋につながります」と自信を深めた。【古川真弥】

▽楽天後関スカウト部長「(細野は)1イニングだったら、もともと馬力はある。能力は分かっています。長いイニングを投げる投手。リーグ戦で見たい。(前田は)元気に投げられていたのがいい。(大阪大会より)ボールに力もあった」

▽ロッテ榎アマスカウトグループディレクター 春(の東都2部リーグ戦)も直球は良かったが、変化球に頼りがちだった。本来の直球をあれだけ投げられればいい。スピードも戻ってきている。春より確実に良くなっている。

▽大学・大久保監督(高校代表の印象を問われ)「守りはしっかりしている。全てのピッチャー、制球力があるなと。必ず優勝するという思いで、1つのチームになって欲しい」

▽大学・上田希(2ラン含む3安打)「特別なことはせず、自分のスイングをやろうと臨んだ。それがいい形になって良かった」

▽大学・宗山(3安打に、遊撃で好守)「2つ三振したので納得はしていません。リーグ戦までに改善できる」

◆大学日本代表 7月の日米大学野球選手権で2大会連続20度目の優勝。23度目の米国開催では07年以来16年ぶり2度目の敵地Vを成し遂げ、歴代最強と呼び声が高い。細野と常広を筆頭にした投手陣だけでなく、野手陣も明大の4番を張り続ける上田希や大学代表の扇の要・進藤ら今秋ドラフト候補と、宗山や西川ら3年生ながら各大学の主力を担う未来のドラフト上位候補と好打者がそろっている。