中日の梅津晃大投手(26)が右肘手術から2年ぶりにマウンドに帰ってきた。本拠地バンテリンドームでファンの温かい拍手を浴びながら、5回77球2安打1失点(自責0)。チームに勝利を届けられず黒星がついたが「最初に大きな声援をいただき、投げやすくなり、うれしかった」。本拠地での復帰戦を応援してくれたファンへの感謝が、真っ先に口をついた。

21年6月5日オリックス戦以来の1軍登板。初球、先頭内山には152キロ直球。内山、オスナを内野フライに打ち取り、宮本には死球を与えたが、自己最速を2キロ更新する155キロをマーク。「全体的に150キロを超えて、直球で押せた。ストレートのパワーがついた」と振り返った。

18年に東洋大からドラフト2位で入団し、20年までに6勝を挙げた。21年は3試合に投げた後、2軍に降格。右肘の違和感が残り、昨年3月に靱帯(じんたい)再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受け、1年以上のリハビリを過ごした。キャッチボール再開後には、故障再発防止のために映像を毎日確認。「感覚とのずれを調整」し続けた。ウエートトレも継続し、7~8キロ増の100キロの肉体を作り上げ、パワー増へつなげた。今年5月11日に2軍で実戦復帰。2軍で8試合に投げ、1勝3敗、防御率3・86の数字を残し、1軍に戻ってきた。

この日は2回に自らの悪送球から失点。「落合コーチに『きょうはよくやった』と言われました。今後は悪いことがあったら、指摘されるような生活になる」。少年時代から憧れ、松坂大輔氏(野球評論家)が中日在籍時につけた背番号18を継承するエース候補が、再出発に身を引き締めた。【伊東大介】