阪神が05年以来、18年ぶりのリーグ優勝を決めた。本拠地甲子園は、その瞬間を見届けようというファンであふれた。今季最多4万2648人が見つめる中で、宿敵巨人に快勝して「アレ」を達成した。

9回、マウンド抑えの岩崎優投手(32)が上ると、同投手のテーマ曲であるゆずの「栄光の架け橋」がかかる。すると曲に合わせてファンが大合唱。坂本にソロ本塁打を浴びたが、声援にも後押しされ、最後の打者を二飛に打ち取る。二塁手中野がキャッチすると、待ちに待った「アレ」の瞬間に、ベンチから選手が飛び出し、マウンドに歓喜の輪ができた。

岡田彰布監督(65)輪に近づくと、スタンドからは岡田コール。指揮官は、ナインの手で6回宙に舞った。さらに、抑え投手として胴上げ投手となった岩崎も胴上げされた。

優勝インタビューに登場した岡田監督は、開口一番「明日から広島行くんでね、なんとかたくさんのファンのいる甲子園でね、決めようと」と話すと、ファンが大いに沸いた。今季最長の11連勝で決めたVに「まさかこんなに9月に強くなるとは…ちょっと勝ちすぎましたね」と笑った。シーズンを振り返り「苦しい時期はなかったですね。5月にすごい勢いで連勝あったんで、それが8月、9月の成績につながったと思う。また来年から楽しみですね」と話した。

代名詞となった「アレ=優勝」には「まさかここまで浸透すると思わなかったんで、一応、これでアレは封印して。優勝して」というとスタンドから大歓声と拍手が起こった。

CS、日本一へ向けたポストシーズンには「アレは達成しましたけど、CSも乗り切って、最後は日本シリーズ。日本で一番最後まで試合出来るように。(リーグ戦優勝はアレだが)日本一は決めてないんですよ、もしいい言葉があれば」とファンらに求めた。

インタビューが終わると、選手、首脳陣らが内野に一列に並び優勝セレモニー。岡田監督が、受け取った優勝ペナントやトロフィーを掲げた。その後「六甲おろし」の曲に乗って首脳陣、選手がペナントを手に場内を1周した。

◆岡田彰布(おかだ・あきのぶ)1957年(昭32)11月25日、大阪府生まれ。北陽(現関大北陽)-早大。早大ではリーグ通算20本塁打。通算打率3割7分9厘と81打点は今でも東京6大学リーグ記録。3年秋に3冠王。79年ドラフト1位で阪神入団。80年新人王。日本一の85年に二塁手でベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)。94年オリックスへ移り、95年引退。現役通算16年で1639試合、1520安打、247本塁打、836打点、打率2割7分7厘。98年阪神に復帰し、2軍監督などを歴任。04~08年に1軍を率い05年リーグV。10~12年オリックス監督。今季から阪神監督に復帰。175センチ、77キロ。右投げ右打ち。

◆阪神タイガース 1935年(昭和10)年12月、阪神電鉄を経営の基盤に、巨人に次ぐ老舗球団の「大阪野球倶楽部」(大阪タイガース)として設立された。プロ野球が始まった36年から参加し、初代監督は早大出身の森茂雄。1リーグ時代に4度優勝。セ・リーグでの優勝は今回で18年ぶり6度目。吉田監督の85年はバース、掛布、岡田ら強力打線を擁し、日本シリーズで西武を退け初の日本一に輝いた。永久欠番は藤村富美男の10、村山実の11、吉田義男の23。オーナーは杉山健博氏。

阪神18年ぶり「アレ」なるか? マジック1 阪神-巨人、広島-ヤクルト/ライブ速報

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