オリックス山本由伸投手(25)が3年連続で15勝に到達した。西武打線を7回3安打0点に封じ、毎回の10奪三振。158奪三振としてロッテ種市を抜きリーグ1位となり、3年連続の投手4冠にも大きく前進した。

3年連続15勝は、球団では76~79年山田久志(日刊スポーツ評論家)、球界では07~09年日本ハム・ダルビッシュ以来。「すごくうれしいですし、練習を頑張ってきてよかったと思います」。3月のWBCでともに世界を制したダルビッシュには、9月9日ロッテ戦の無安打無得点試合達成を「ナイスピッチング。ノーヒットノーラングッズを買うよ」とねぎらわれた。

投手を評価するセイバーメトリクスの指標の1つ、WHIP(1イニングあたりに許した走者数)でも大記録に迫る。数値が1・00未満なら超一流といわれ、球団OBで通算350勝の米田哲也、同284勝の山田久志も0点台は1度だけ。だが山本は初めて規定投球回に達した19年から4年連続0点台。今季もここまで0・89で、パの規定投球回到達者では後輩の宮城と2人だけだ。

50年の2リーグ制後、規定投球回到達者で、5年以上連続で0点台を記録したのは阪神小山正明、国鉄金田正一、阪神江夏豊。パでは西鉄稲尾和久の4年連続が最長で、山本が5年連続ならパ最長記録となる。

今後も「しっかり試合に集中して戦います」と進化を続けるエースを、この日も4球団5人のメジャーの編成担当が視察。世界規模の注目の中、山本の23年レギュラーシーズンが大団円に向かう。【堀まどか】

◆WHIP(Walks plus Hits per Innings Pitched)セイバーメトリスクの指標のひとつで、投手が1イニングに何人走者を許したかを示す。(被安打+与四球)÷投球回で算出され(安打と四球のみ。死球や失策などは含まない)、メジャーリーグでは公式記録として扱われている。投手の安定感の目安。数字が低いほどいい。WHIPは平均が1・20~1・30で、1・10以下で一流、1・00未満で超一流とされる。

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