ソフトバンクがCS出場を争うロッテとの直接対決初戦に勝利し、2位タイへ浮上した。最大5点差をつけながら最後は1点差で逃げ切り。薄氷の勝利を手にした藤本博史監督(59)は「当然ロッテも必死だし、こっちも必死。選手もしびれたんじゃないですか」と一息ついた。

強烈な先制パンチが効いた。1回に打者10人の猛攻。今季初の初回5得点で主導権を握った。1死三塁で柳田が左前に先制&決勝打。「(周東)佑京が三塁ランナーだったので、とにかく前に飛ばすことだけを考えました」。主砲の一打で打線に火が付き、今宮、三森にも適時打が生まれた。体調不良で急きょ先発を回避した佐々木朗の代役、横山の出ばなをくじいた。指揮官も「初回のつながりは本当にね。エラー絡みもあったけど、なんとかつなごうという気持ちがあったと思います」とうなずいた。

誤算もあった。今季ZOZOマリンで計14イニング無失点だった石川が4回途中4失点でKOされた。中盤以降はロッテの猛反撃を受け、救援6人の登板はブルペンデーだったロッテと同じ人数だ。投手陣の奮起がなければ、今後のCS争いは厳しい戦いになる。勝利を手放しでは喜んでいられず、藤本監督は「修正してもらわないと」と石川への注文を忘れなかった。

デーゲームでは1差で追われる4位楽天が勝利していた。負ければ3位に並ばれるピンチで踏みとどまり、7月11日以来、約2カ月半ぶりの2位に浮上した。勝率も5割に復帰。CSファーストステージの本拠地福岡開催へ、もう勝ち続けるだけだ。「今日は取ったから何とか明日頑張っていきたい」。25日のロッテとの直接対決第2戦に向けて、藤本監督は表情を引き締めた。【只松憲】

 

○…石川が3回2/3を7安打4失点で降板した。5点の援護を受けた直後の初回に1失点。2回は2死から2連打で1点を奪われ、4回にロッテ和田に2点差に迫られる2ランを被弾した。「最近は思うようにいっていない登板が多い。次に向けて頑張るだけです」と前を向いた。8月18日に無安打無得点試合で4勝目をマークして以降、5試合連続で白星から遠ざかっている。

○…1、2番コンビが躍動した。初回に先頭の周東が右前打で出塁。すかさず二盗を決めて、続く川瀬はきっちり犠打を成功させた。柳田の先制打をアシストし、この回一挙5得点の猛攻につながった。6回にも周東が出塁し、無死二塁で川瀬が再び送りバント。貴重な追加点を呼び込んだ。周東は「初回に点を取って優位に進められて良かった」と振り返った。

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