中日梅津晃大投手(26)が8回5安打1失点の好投で3年ぶりの勝利を手にした。2回、佐藤輝に先制ソロを許したが、その裏にチームが逆転。150キロ超のストレートとスライダーを軸に1点リードを保ったまま、107球で阪神打線を封じ込んだ。

20年7月5日の巨人戦以来、1177日ぶりの白星。9回を託した同期入団の勝野が2死一、三塁の同点危機を迎えた。だが、木浪を空振り三振に仕留める。その瞬間、梅津はベンチで両手を突き上げた。お立ち台に上がると「きょう勝ってこの景色を見たかった。すごくうれしいです」。復帰3戦目での勝利の味は格別だった。

東洋大で2年後輩の村上との投げ合いも大きな刺激となった。「今年タイトルを取ってもおかしくない成績で、尊敬もしている中で勝ちたいと思っていた。覚悟を決めて気持ちを入れて投げました」。

22年3月に右肘トミー・ジョン手術。長いリハビリ期間。つらい時もあったが、副産物として体が一回り大きくなった。パワーアップした右腕は復帰戦となった8月31日のヤクルト戦(バンテリンドーム)で自己最速155キロをマーク。たくましさを増して1軍マウンドに帰ってきた。

「今年1勝できれば来年につながると思います。本来なら9回まで投げきって勝ちたかった。来年は9回を投げきれるように頑張ります」

復活を遂げた右腕は来季の飛躍を誓った。【安藤宏樹】

▽中日立浪監督(梅津の3年ぶり勝利で5位ヤクルトに0・5ゲーム差)「真っすぐに力もあり、申し分ない投球だった。スケールの大きな投手。本人にとってもチームにとっても大きな勝利となった」

▽中日勝野(梅津の3年ぶり白星を決めるプロ初セーブ)「とても良い経験をさせていただいたと思います」