オリックスのドラフト3位、斎藤響介投手(18=盛岡中央)が無失点デビューを飾った。

西武打線を相手に4回を投げ、毎回走者を背負いながらも適時打は許さなかった。球団では1978年三浦広之以来45年ぶりとなる高卒新人初登板初先発初勝利は達成できなかった。それでも名球会打者の栗山から三振も奪い、ネクストブレーク候補の力を披露した。

「徐々に緊張もなくなってきて、いいピッチングが少しずつできてきた。ゼロで抑えられたのが一番うれしかった。1軍で投げられて抑えることもできたので、少しでも自信を持って頑張っていきたいです」

登板直前から落ち着いていた。試合前練習後は西武松井監督にあいさつ。高校の恩師、奥玉真大監督(50)がPL学園(大阪)の1年先輩にあたる縁で、敵将に笑顔で頭を下げた。ピンチにもしっかり向き合った。初回2死三塁は1球で栗山を中飛。2回2死一、二塁は古賀に粘られても、8球目の147キロ直球で三塁ゴロに仕留めた。粘り負けしなかった。

甲子園常連の花巻東や盛岡大付ではなく、全国出場は99年夏の1度しかない盛岡中央を選んだ。「強豪を倒したい思いがありました」。優しげな顔の裏に秘めた野望があった。3年夏は準決勝で花巻東を倒し、岩手準優勝までチームを引っ張った。奥玉監督は「マウンドに上がりたい、うまくなりたい、勝ちたいという強い思いを持っていた」と芯の強さを見抜いていた。

エース山本や宮城らにいずれは続くと期待される。24年の新戦力になり得る存在だ。この日はその第1歩。中嶋監督とのやりとりを問われると「ほめていただきました」と笑顔になった。【堀まどか】

▽オリックス中嶋監督(斎藤の初登板を振り返り)「いいボール投げますよね。本当に質のいい、いいピッチャーですよね。力んでたのもあるだろうし、緊張してたのもあるでしょうし。その中でも本当にいいものを見せてもらったし、どんどん成長してほしいなと思います」

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