10月も勢い止まらん! 阪神佐藤輝明内野手(24)が23号3ランを含むマルチ安打で4打点を挙げ、自身初の90打点に到達した。2-2の同点で迎えた5回無死一、二塁。フルカウントから広島3番手床田の140キロの内角ツーシームを引っ張り、右翼席下段へ放り込んだ。

「向こうもいい球を投げていた中、そこをうまく打てた。追い込まれていたけれど、打てているのはいいことだと思う」

床田との今季対戦成績は4試合で打率5割7分1厘、2本塁打と相性は抜群。CSファイナルステージで対戦する可能性がある今季11勝の左のエースに嫌なイメージを与えた。

プロ3年目で到達した90打点には「ランナーが(前に)出てくれたからですかね」と謙虚に語った。球団では、14年ゴメスの109点以来。生え抜きでは10年鳥谷敬104点以来、13年ぶりで史上9人目と、またも猛虎史に名前を刻んだ。さらに、1年目に記録した自己最多の24本塁打まであと1本に迫った。「残り1試合なので、頑張ります」。キャリアハイ到達のため、最後まで貪欲にアーチを狙う。

9月成績は24試合で32安打、打率3割4分4厘、7本塁打、23打点と絶好調。中盤から好調をキープしている秘訣(ひけつ)には「練習してきたものがだんだんいい形になっているのかな。長い間打てていることは自信になります」と納得顔だ。岡田監督も「打ちそうな感じやった」と打席の雰囲気にうなずいた。

3回1死満塁でも先制の中前適時打。満塁機での適時打はチーム13打者ぶりとなり、「満塁の呪縛」も解いた。最終戦となる4日ヤクルト戦に向け「頑張ります」。絶好調男が10月も自分の打撃を突き詰める。【三宅ひとみ】

▼佐藤輝が自身初めてシーズン打点を90の大台に乗せた。セでは(1)牧(DeNA)103(2)岡本和(巨人)93に次ぎ3位だが、左打者に限れば12球団最多。パの打点1位近藤(ソフトバンク)85打点を引き離している。

▼90打点は球団では14年ゴメス109打点以来、9年ぶり。日本人では11年の新井貴浩93打点以来、12年ぶり。生え抜き選手に限ると、10年鳥谷敬の104打点以来、13年ぶり9人目、21度目。左打者では10年ブラゼル117打点、同年鳥谷以来13年ぶり。

▼90打点以上を挙げたシーズン数の阪神最多は6度で、生え抜きでは藤村富美男(48~53年)掛布雅之(78~79、82~85年)、移籍選手では金本知憲(04~09年)。なおシーズン球団最高は、05年今岡誠の147打点。