最後の最後まで本塁打王争いに加わった日本ハム万波中正外野手(23)の挑戦が、終わった。21試合連続で1番に座っていたが、新庄監督の「球筋を見させたかった」の親心で2番に入ったが不発。まだ試合を残す楽天浅村、ロッテ・ポランコのトップに1本差の25本塁打で高卒5年目のシーズンが終了した。

それでもタイトルには手が届かなかったが「爽やかですよ、僕は。スッキリしました」と満面の笑みで「チームメートに迷惑をかけながら挑戦させてもらったので、申し訳なさと感謝と。最後までケガせずホームラン王に挑めた」と、胸を張った。

1発が出ないまま迎えた、4回の守備だ。同じく25本塁打で並んでいた楽天のベテラン浅村が、万波の目の前でリーグトップに並ぶ26号ソロを左中間へ運んで見せた。かつて本塁打王1度、打点王2度と、打撃部門の主要タイトルを手にしたベテランの底力に「すげえと思って」、右翼を守りながら笑ってしまった。「実力かなと。他の成績を見ても浅村さんに勝てる成績はないので、シンプルに確率の問題。技術の差、実力の差だと思う」と自身の現在地を見つめた。

周囲の期待も高く、精神的な負担もあった。「もうしたくねえなって思いますね」と笑い飛ばす一方で「2位に大差をつけてタイトルを取れるような、そういう選手になりたい。ぶっちぎれるように頑張ります」。圧倒的な本塁打王を夢見て、新たな挑戦が始まる。【中島宙恵】

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