ソフトバンク藤本博史監督(59)が本音でチームを語る企画「藤もと亭」。第7回のテーマは「今季の総括」です。2年連続でクライマックスシリーズ(CS)進出を果たしたが、ロッテに勝率1毛差で及ばず3位フィニッシュ。故障者も相次いで12連敗を経験した23年を「しんどかった」と胸中を明かしました。下克上CSのキーマンには周東佑京内野手(27)を指名しました。【取材・構成=只松憲】

   ◇   ◇   ◇

-今季の藤本ホークスは71勝69敗3分。シーズン3位で終えた。

藤本監督 正直に言えば今年はしんどかったです。主力の牧原大、栗原がけがで離脱し、7月には12連敗をしてしまった。12連敗をした時はセットアッパーだったモイネロのけがも響いてしてまった。主力のけがは1年間を戦っていく中でやはりしんどい。そのあたりのケアができなかった自分の責任だと思っています。最後は勝率1毛差で2位とはならなかったけど、結果を受け入れるしかない。2位を決められるところで決められなかった自分の責任です。

-苦しんだが、開幕時は1軍にいなかったスチュワートが台頭。14日のCSファーストステージ初戦で先発する。

藤本監督 カーターはまだローテーションに完全にハマったというわけではないけど、終盤はある程度ローテーションでいけるかな、というメドは見えてきた。そのへんはプラス材料だよね。14試合で3勝6敗だけど防御率3・38。初めて先発で回ってよくやってくれたと思うよ。

-野手では9月から1番周東を固定。月間打率3割6分を残し、CS進出に大きく貢献した。

藤本監督 引き続きCSのキーマンも周東だと思います。3番の柳田、4番の近藤は必ず打ってくれると信じているからね。だからその前にランナーが出るか出ないか。周東が塁に出たら相手バッテリーは周東の足を警戒するだろうし、対バッターへの集中力は薄れると思う。短期決戦でもそういう流れができたら最高ですよね。

-柳田は最多安打、近藤は本塁打、打点、最高出塁率のタイトルを獲得した。

藤本監督 本当によくやってくれたと思います。でも僕が感じたのは、パ・リーグのピッチャーは間違いなくレベルが上がっているということ。よく「投高打低」と言われるけど、それは去年の後半から感じていました。昔よりも打率やホームラン数が下がってしまっている。でもそれはバッターが悪いのではなくて、ピッチャーがどこのチームもレベルアップしているなと。うちの先発ピッチャーの石川や東浜は思った通りの活躍はできなかったと思うけど、投手陣はいい方だと思っている。特に中継ぎは力のあるピッチャーがたくさんいるのでね。

-ファイナルステージでは宿敵オリックスが待ち受けている。

藤本監督 まずはファーストステージでロッテに勝って、ファイナルステージに行くのが直近の目標。当たり前やけど、まずはファーストステージを勝ち抜くことが一番大事だと思います。それでオリックスと戦うことになれば、その時にまた考えればいいこと。

-3日の本拠地最終戦セレモニーのスピーチでは声を詰まらせた場面も。屈辱的の日を思い出した。

藤本監督 あれは悔しかったからセリフが飛んでしまったんです。去年の10月2日、リーグ最終戦でオリックスに優勝を持っていかれた。そのことをスピーチで話したけど、あの日を思い出しただけで一気に悔しさがこみあげてきた。もちろん今年の試合も悔しい試合は多かった。でもそれは自分の責任。

-まだCS突破で下克上日本一のチャンスはある。

藤本監督 そうですね。CSに行くということは日本一のチャンスがあるということ。選手たちにハッパを掛けながらやっていきたいと思います。最後まで頑張ります。

 

◆藤もと亭 98年の現役引退後に福岡市中央区平尾で開業した居酒屋。正式名称は「うまいもんや 藤もと亭」。藤本監督がオーナーを務め、新鮮な魚料理や野菜など季節にあわせたメニューが人気だった。「元プロ野球選手の気さくな店主がいる」と話題になり、多くの野球ファンが集った。11年からソフトバンクの2軍打撃コーチに就任するため、10年12月で閉業。