西武山川穂高内野手(31)が後輩たちに“球界屈指”を見せた。15日、フェニックスリーグ・オリックス戦(宮崎・南郷)の初回1死一塁。オリックス佐藤のスライダーを芯で捉え、追い風にも乗って左翼防球ネット直撃の130メートル弾にした。「久しぶりだったのでいつもほどは完璧に行ったとかは」。いわゆる“確信歩き”の感覚も忘れていた、204日ぶりの1発だった。
今年に限っては通算218本塁打の山川より、若獅子たちの方が実戦感覚が鋭敏だ。山川が走り出した瞬間、高卒新人の古川や野田がベンチで腕を上げながら立ち上がった。「上で一緒にやっていない選手もいるので。僕のホームランを生で見たことがない人もいる。後輩にいい1本を見せられたかなと思います」。
難しい立場ではある。しかしベンチ前で興奮しながら喜ぶ彼らに促されるように、恒例だった「どすこーい」を決めた。仲間たちから「どすこい、見たいです」と頼まれていた。「それで一緒にやってくれたのではないかなと思います」。800人の観客の多くも拍手を送った。
不祥事があったとはいえ今季は1軍公式戦で62打席に立ち、それでも本塁打はゼロだった。人知れず、ペナント開幕前から右足に不安を抱えていた。
「WBCでの疲労蓄積は確かにありました。普段とは違う流れで、飛行機も長くて、僕に関しては(控えで)試合になかなか出ない状況もあったので」
尻を右足に乗せるイメージで力をため、バックスクリーン方向へ解き放つ-。年明けに本塁打王宣言をした根拠が、故障がちな右足の充実ぶりだった。足は「もう完全回復です」と自信を持ち、特大弾で証明。「ホームランボールどうする?」と拾いに行った球団スタッフに聞かれると「取っといてください」と迷わずに返事した。【金子真仁】



