阪神村上頌樹投手(25)が16日、東洋大の2学年先輩で“お祭り男”の広島末包封じを誓った。

18日から開幕するCSファイナルステージで戦う相手は広島に決定。開幕投手を務めることが有力の右腕が、15日のDeNA戦で代打弾を放つなど勢いにのる先輩を抑え込んで初陣勝利をもたらし、日本シリーズ進出をグイッと引き寄せる。

   ◇   ◇   ◇

決戦の地甲子園のマウンドに約1カ月ぶりに立った村上は、レギュラーシーズンさながらに低めにボールを集めた。「青空ブルペン」で39球。「いい感覚で入れる」と18日から開幕する広島とのCSファイナルステージへ向け感覚を研ぎ澄ました。開幕戦での先発が有力の右腕は「相手が決まったので、しっかりそれに向けていろいろ練ったりしていきたい」と力を込めた

広島はCSファーストステージでDeNAを2連勝で下し、甲子園に乗り込んでくる。そんな勢いに乗るカープ打線には、村上も学生時代を知る“お祭り男”がいた。東洋大の2学年先輩の末包だ。コイの大砲は15日の1点リードの6回に代打で出場し、今永から勝利を引き寄せる左越えのソロをマークした。寮では同部屋だった先輩について右腕は「こういうお祭り系の場は好きで、(自ら)盛り上がるタイプ」と明かした。

これまで先輩とは1軍の舞台では対戦機会はなかった。2軍戦でも昨年9月2日のウエスタン・リーグで1打席対戦したのみで、その時は遊ゴロで村上に軍配が上がった。それ以来の対戦となるが、「イケイケの状態であの人も来ると思うので、対戦したらしっかり丁寧に投げたい。感化されないように、自分は冷静になって」と引き締めた。

村上は今季広島戦には3試合に先発し、2勝1敗、防御率は2・53だった。14、15日のDeNA戦でカープ打線をチェックしたという右腕は、シーズンとの違いについて「やっぱり足を使ってきたりだとか、いろいろ作戦面が多くなった。そこに惑わされないように、自分のピッチングをしたい」と決意をにじませた。

チームは1勝のアドバンテージをもらってポストシーズンの1戦目を迎える。村上が白星スタートとなれば、一気に勢いに乗り3連勝で日本シリーズ行きの切符をつかむチャンスも見えてくる。「後ろはすごい先輩たちが控えているので、気楽に入れるんじゃないかなと思ってます」。昨季まで0勝で、3年目の今季彗星(すいせい)のごとく現れた男が、ポストシーズンでも光り輝く。【三宅ひとみ】

 

▼日本シリーズ出場をかけたプレーオフ、CSで2勝0敗(アドバンテージ1勝含む場合あり)は過去28度あり、うち27度が進出。突破率は96%と断然有利だ。連敗スタートから突破したのは17年DeNA(対広島)だけ。今回、阪神は初めてアドバンテージを持って臨む。セのファイナルステージで1位にアドバンテージが与えられるようになった08年以降、1位チームは14度中12度突破。突破率は8割5分7厘。阪神にとって心強いデータだ。

【関連記事】阪神ニュース一覧>>