関大が関学大を破り、2季ぶり40回目の優勝を決めた。

エースの金丸夢斗投手(3年=神港橘)は最終打者を三ゴロに抑えると、両手を突き上げた。女房役の有馬諒捕手(4年=近江)と抱き合い、歓喜の輪に包まれた。来秋のドラフト候補左腕に7球団スカウトが熱視線を送る中、圧巻の投球を見せた。初回に151キロを計測し、コースを投げ分けて6安打7奪三振で完封。今秋は先発した6試合で無傷の6連勝だ。合計51回を投げ2失点で、防御率0・35の驚異的な成績をたたき出した。金丸は「優勝しか頭になかったので達成できてよかった」と笑みがこぼれた。

今春リーグ戦では右膝を痛め、優勝争いの中で無念の途中離脱。チームは最終節で近大に逆転優勝を喫した。「僕のせいで春は(全日本選手権に)行けなかった。秋は自分がやると決めていた。春終わって取り組んだ成果が出た」。約2カ月のリハビリ後、体の芯から力を発揮できるよう、1カ所に負担がかからないトレーニングに変更した。夏のオープン戦では自己最速を1キロ更新する153キロを記録し、完全復活を遂げた。

エースを援護したい打線は初回、2死満塁から押し出しで先制。7回にも1死三塁から、1番藤原太郎外野手(3年=佐久長聖)の右犠飛で1点を追加した。

今季限りで勇退を表明している早瀬万豊監督(65)は5度宙を舞った。早瀬監督は関大のエースとして活躍し、社会人野球の日本生命では投手、コーチ、監督、それぞれで都市対抗優勝。14年1月に母校の監督に就任。就任1年目の14年秋に39季ぶりのリーグ優勝を果たし、10年で7度優勝。19年の明治神宮大会では準優勝するなど、選手の育成に力を注いで名門を立て直した。「10年前の秋に胴上げしてもらった思い出がある。最初と最後にこういう形でリーグ戦を終えることができてうれしい限り。選手に感謝です」と感慨深く語った。

監督へ花道を用意したいナインは、第1関門を突破。同連盟代表として明治神宮大会(11月15日開幕)の出場権をかけ、関西地区代表決定戦(同2日から)に出場する。