最下位から反攻へのドラフト6戦士が決まった。中日立浪和義監督(54)が「プロ野球ドラフト会議supported by リポビタンD」に出席し、亜大・草加勝投手(4年=創志学園)の交渉権をロッテとの競合でゲットした。1位指名公表した即戦力野手のENEOS・度会を3球団競合で外したが、外れ1位で即戦力右腕を獲得。2位には三菱重工East・津田啓史内野手(20=横浜)を指名し、投手4、内野手2のセンターライン強化から逆襲を期す。

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立浪監督は就任2年目のドラフト会議で反攻戦力の指名を終えた直後、即座に動いた。ドラフト1位をENEOS・度会と公表したが、DeNA、ロッテとの3球団競合で外した。外れ1位の亜大・草加もロッテと再競合。クジの第2ラウンドで「交渉権確定」の文字を確認するとガッツポーズを披露した。

「ドラフト1位をクジで外して選択肢は非常に難しいところはあった。右、左投手を含めて少し迷った。取りたい選手はその後は全て交渉権を獲得できた。(点数は)1位を外したので80点」

6選手の指名を終えると、そのまま会場を離れ、東京・武蔵野市にある亜大キャンパスに車で直行。最速153キロ右腕のドラ1戦士への指名あいさつを敢行した。「おとなしい印象を受けたが、マウンドでは気持ちが出るタイプ。1年目しか狙えない新人王を目指してやってほしい」。先発ローテ入りを期待する右腕に、自らも現役時代に獲得した「新人王」の奪取を直接言い渡した。

2位には三菱重工East・津田を指名、3位には仙台大・辻本と即戦力内野手2人を連続指名した。「昨年から二遊間はたくさん取っているが、競争していってほしい」。昨年のドラフトでは村松、田中、福永ら4内野手を獲得した。3年目の龍空、助っ人のカリステも今季終盤に遊撃として存在感を発揮したが、二遊間を固定するには至らず。「同じポジションになったが競争はしてほしい。どの球団も二遊間を不足している。いい選手がいるときにとっておかないと」。就任以来センターライン強化を口にしてきた指揮官は、来季反攻への主要テーマは変えなかった。

高校生1人を含む4投手に野手2人がそろい、育成ドラフトでも4選手を追加した。「先発、中継ぎとも1人でも多い方がいい。無駄なところで点を与えないようにしたい」。ドラフト新戦力たちに、2年連続最下位からの浮上へ思いを託した。【伊東大介】