各球団が即戦力として1位指名する選手が、史上最多の7人重複となった。逸材がそろった、まさに“最強投手世代”。東都大学野球連盟からは、最多の7人が1位で名前を呼ばれた。「東都1部6人衆」に加えて、2部の専大・西舘もヤクルトが外れ1位で指名。今までも数々の名投手を輩出している連盟が、今年のレベルの高さを改めて示した。

1位12人のうち、8人が大学生投手だった。即戦力がそろった大豊作ドラフトの象徴となった。競合した場合にくじを外してもなお、即戦力の選手がそろっていることから、各球団は重複を避けずに本命の選手で勝負に出たとみる。1位指名だけで合計7回のくじ引きが行われ、4年ぶりに有観客となった約700人の12球団のファンのため息と歓声が入り交じった。その中で、ロッテは17年ソフトバンク以来となる3回くじを外す事態となった。

大学生以外でも社会人、独立リーグの“即戦力”と言える選手が多く指名され、現実路線の方針が目立った。“ロマン枠”での指名が少なかったと言える。巨人は、2~5位すべて社会人。阪神2位の椎葉、ロッテ2位の大谷はどちらも独立リーグからで、13年に中日2位で指名された又吉以来の最高順位タイとなった。高校生や大学生が独立リーグに進んだ場合は、1年目からドラフト対象になる。大学や社会人だけでない進路として、ますます注目が集まりそうだ。【アマチュア野球担当=保坂恭子】