好対照、でも似たもの同士-。1964年(昭39)の南海-阪神以来59年ぶりに実現する関西シリーズが28日、開幕する。勝つのは38年ぶりの頂点を目指す岡田阪神か、連覇を狙う中嶋オリックスか。異なる攻撃パターンと、似通った投手力。両チームのデータを比べると、興味深い事実が浮かび上がる。【記録室=高野勲】

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◆ブランク 38年ぶりか連覇か。日本一を懸けた戦いは、ブランク3位と最短ブランクの争いとなった。阪神は1985年(昭60)に球団初の日本一に輝いたのが最初で最後。現12球団では、84年の広島に次いで遠ざかる。阪神が38年ぶり日本一なら史上3位タイのブランク。オリックスは昨年に続き6度目の日本一を目指す。

◆打順パターン オリックス中嶋監督は、シーズン143試合で135通りの打順パターンを採用。打線の核となる4番に7人を起用した。最多は森の71試合だが、公式戦143試合の半数にも満たない。

一方阪神は69通りで、オリックスの約半分。大山は全143試合で先発出場した。その象徴がCSファイナルステージだった。広島との3試合で野手8人がすべて同じ打順。代打や代走、守備固めすらない、超固定メンバーだった。オリックスがCSで同じパターンが1試合もなかったのとは好対照だった。

◆得点力 攻撃にも顕著な違いが出た。今季阪神が選んだ494四球は12球団最多。一方オリックスの371四球はパ最少で、両リーグ8位だった。阪神の79盗塁は12球団3位で、オリックスはパ最少の両リーグ9位。また、オリックスの109本塁打は12球団3位で、阪神の84本塁打は同11位だった。

パンチ力自慢で大技が得意のオリックスに対し、阪神はしぶとく四球を選び、機動力を絡めて好機を拡大。結果両リーグ最多の555得点をたたき出した。オリックスの508点は同7位だった。

◆投手力 異なる個性で奪った得点を、両軍とも強力な投手陣で守り切った。年間143試合となった15年以降(20年のみ120試合)阪神のチーム防御率2・66は歴代1位で、オリックスの2・73は同3位だ。

先発防御率はオリックスが12球団1位の2・61で、阪神は2位の2・79。救援防御率も阪神が同1位の2・37で、オリックスが4位の2・93。先発と救援の各防御率がそれぞれ2点台は、阪神とオリックスの2球団しかなかった。

第1戦の先発は阪神が村上でオリックス山本。今季推定年俸は山本6億5000万円に対し、わずか村上は750万円。約87倍の格差対決となった。