工藤公康氏と槙原寛己氏が29日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」にご意見番として出演。阪神がオリックスに快勝で白星発進を決めた日本シリーズについて語った。

工藤氏は「(先制点の起点になった佐藤輝明の盗塁に)サインだと思う。サインじゃないと、なかなかスタートは切れない。間違いなく研究をすごくしていたと思う。意表ではなくデータに基づいた盗塁のサインだと思う。バッテリーからすると意表を突かれた形になったので、動揺はあったと思う。(山本は)崩れたではなく、崩されたと思っている。阪神バッターがデータを集めていたと思う」と分析。槙原氏は「山本は前の週にロッテとやったときも打たれている。どうしても後半に球が高くなる。昨日はフォークの精度も悪かった。ほとんど点が取れないピッチャーは変わらないと思うが、阪神が研究してきて、『そんなに打てない投手じゃない』と岡田監督が言っていて、選手が『そうだよな』ということで戦った結果じゃないかと」とコメントした。

工藤氏は「昔は1戦目より2戦目が大事と言われていたが、僕が監督をしているときは1戦目を大事にしていたので、2戦目に勝った方が精神的にも圧倒的に優位にたつというのがいえるんではないかと思う」と話した。槙原氏は「山本投手で勝っていたらオリックスは優位になっていたと思うが、阪神村上投手のピッチングは見逃せない。素晴らしかった。次は優勝を決めるゲームで投げると思うが、あのピッチングができたというのがアドバンテージになったと思う」と話した。

28日のシリーズ初戦、阪神は阪神近本光司外野手(28)、中野拓夢内野手(27)がそろって3安打猛打賞。難敵右腕・オリックス山本由伸投手に10安打を浴びせて7得点を奪取。先発の村上頌樹投手(25)が7回2安打無失点の圧巻の投球内容でオリックス打線を寄せ付けず。投打がかみ合い、日本シリーズでは敵地で9連敗と苦戦が続いていたが、日本一を決めた85年11月2日の西武球場(現ベルーナドーム)以来、1万3874日ぶりの敵地勝利を飾った。