阪神森下翔太外野手(23)が9日、侍ジャパン期間の左翼挑戦に意欲を示した。

代表秋季キャンプが行われる宮崎に、阪神の他3選手とともに到着。主に右翼で出場した今季、左翼での出場は6試合のみ。左翼守備の準備も進め、出場機会の幅を広げる。侍で同僚となる中大先輩のDeNA牧からも打率アップの極意を学ぶ覚悟。代表経験を2年目の進化につなげる。

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駆けつけた阪神ファンの大歓迎を受けながら、森下は表情を引き締めて宮崎入りした。日本シリーズの激闘を制し、いったんは完全休養。横浜市内の実家に帰り、1度もバットを振らない時間を設けた。充電期間を終え、2年目の来季に向けて新たなスタートとなる1日。さらなる進化へ、侍ジャパンでの左翼挑戦希望を早速、口にした。

「レフトの経験があまりない。ジャパンとか高いレベルで経験できたら、シーズン中にもしコンバートとなった時にやりやすいと思う。経験としては、すごくやってみたい」

今季のレギュラーシーズンでは出場94試合中、85試合が右翼出場。近本不在時は「代役中堅」も6試合務めたが、左翼の守備も同様に出場6試合にとどまっている。世界レベルでの経験を持ち帰り、自身の可能性を広げる意気込みだ。

中大の2学年先輩にあたるDeNA牧も代表入り。3月のWBCでも世界一に貢献した先輩からは、打率アップの極意を学ぶ。

「ティーバッティングとかを見て。参考にできるものがあればしたい」

牧は1年目の21年から打率リーグ3位の3割1分4厘を記録。今季も打点王を獲得しながら2割9分3厘を記録した。森下自身、プロとしての1年を終えてその偉大さが強まる。

「ホームランは球場によって多少、差が出ると思う。でも率は、そこまで差は出ないものと思っているので。1年目からあの成績を残したのはすごい」

森下の今季打率は2割3分7厘。大学での技術的な指導はほとんどなかったという先輩から「目で盗んで」技術を学ぶ。

日本シリーズでは新人の歴代最多打点となる7打点で貢献。全4試合の短期決戦となるアジアチャンピオンシップに向けても「だいぶ大きい」。直近の経験をきっちり生かす。

今季は3番打者として存在感を見せ、侍ジャパンでも井端監督からクリーンアップ候補と期待される。

「監督の言われたところで。ジャパンで打順の役割とかあるか分からないけど、しっかり適応できるようにしたい」

2年目の進化へ、貴重な11月にしてみせる。【波部俊之介】