阪神岡田彰布監督(65)が12日、小野寺暖外野手(25)に約1時間に渡る打撃の熱血指導を敢行した。高知・安芸での秋季キャンプ第3クール2日目、小野寺がティー打撃の練習中に身ぶり手ぶりを交えながら、就任後最長の“マンツーマン”指導を行った。その後はサードでノックを受ける渡辺諒内野手(28)に約25分の助言を送った。静観の初日から一変し、精力的に動き回った。

 

-熱心に小野寺にはリストワークの指導を

「そうそうそう。うーん、まあ、小野寺はどっちか言うたら独特な打ち方やからな。右の方にな、どっちかというと、リストを返さんで打つ方やからのう。でも、ああいう打ち方をしたほうが、ボールにな、力が伝わるというかな」

-去年は大山に上からスピンをかけることを教えた。同じ感じか?

「やっぱりだから、何ていうかな。ファームの若いやつでも、力があるから、力任せにぶつけて運ぶみたいなな。だから、結局は、バッティングなんか、コツやから。そんな力入れんでも、ボールに力が伝わるようなな、感覚やったら、ボールは飛びますよということよ。それはみんな、徐々にそないして自分で気づいてくるんやけどな」

-小野寺に教えてながら、徐々にわかってきていた

「それはわかっとるよ。できへんだけで(笑い)。そんなすぐできへんわ。そういう興味を持ってな、やるゆうのも大事やしな。それは」

-小野寺がもう一つステップアップするために必要

「まあ、この(若手の)中では、一番打っとるからの。今の中のメンバーからいくとな。まだな、ガムシャラに振らなアカン選手もおるやんか。そういうことじゃなしに、今年1年、ファームにおったやつなんかはな。高校の1年目なんかは、まだまだな、そないしてな。体の力をつけなアカンし、まだやることいっぱいあるけどな。でも、ある程度1軍の戦力としていくやつはちょっとでもレベルアップせなアカンからな」

-外野のレギュラーを脅かす存在に

「いや、そんな脅かすとか、そういうのでやってるわけではないし。1人、1人のレベルが上がった方が、そらチームとしては絶対助かるわけやからな。シーズン中にどんなアクシデントがあるかもわからん。デッドボールで近本みたいにな、離れるわけやから。1軍のベンチに登録している以上はゲームになったら戦力なわけやからな。それはもう全体的なレベルアップやんか。チームとしての」

-以前から小野寺はこうした方がいいという思いを抱いていたのか

「うーん、まあ、良くなるって言うか、引き出しをいっぱい持っている方がええっていうことやんか。結局な。それはインコースのボールを一、二塁間へもっていくのは独特のものを持っているわけや、自分の中ではな。それプラス、違う打ち方っていうたら変やけど、引き出しが多い方がもっと対応できるっていうことやからな、結局はな」

-引き出しが増やす過程で飛距離も伸びる?

「そら伸びると思うよ。ティーをやるだけでもあれだけボールの音が違うわけやから。ボールの芯でとらえているというか、ボールに力が伝わっているというかな」

-サブグラウンドでは渡辺諒の守備を指導した

「おーん、シートノックを見ていてもサードからスローイングでなんか腕で投げてたからな。おれもセカンドからサードへいった時にそうやったけど。セカンドやったらそこからノーステップとかいろんな体勢で投げられるけど、サードは距離があるからな。それはちゃんとファーストに向けて肩を入れてというな」

-ブルペンでは湯浅の存在が大きい

「そら湯浅はやっぱりちょっと違うよ。そら当たり前やん、1軍で投げてるんやから、そらお前。ばらつきがないよな、あないして投げててもな。他のピッチャーは高めに投げてても急に低めに、押さえつけるように投げたりな。わかるやろ? そないしてな、1軍で投げているピッチャーと、やっぱり違うということやろな、あないして投げてても」

-質のいいまっすぐの割合が多い

「まあ、それはやっぱり、ストレートで空振りを取れるわけやからな。結局は。それはバッティングで小野寺に言っているのと一緒や。ボールにスピンが、それはもうピッチャーがここでバンとしなる、スピンがかかるということやからボールに。そこでなあ、バッターまあホップしてないんだけど、なんかホップして見える、空振りするとかな、そういうことや、やっぱりなあ」

-期待感は

「結局は今年なあ、そんななあ、はがゆかったからなあ、1年、おーん。まあそらなあ、ボールの違いとかいろいろあったからなあ、そらしゃあないやんか。今年に関しては別にお前。他のチームのピッチャーもなあ、そないしておかしなったピッチャーもおるわけやから、結局はな」

-今年はクローザーでスタートしたが、来季のポジションは

「ポジションはまだ考えてない、そこまで考えてない、考えてない。そんなん来年でも十分や。来年のキャンプからでも。キャンプから言うても今年キャンプ(WBCの強化合宿で)おれへんから、だからそういうことやんか。日本のボールでどんな球投げんのかなあというのもなかったからなあ、結局は」

-関大北陽が花園に初出場する

「ああ、そう。いずれ勝つと思とったよ」

-「岡田監督に続け」とあったみたい

「ええことはええことやけどな」

-監督の昔のホームラン映像です

「だからバット立てなあかんからな。今のやつ、右バッターなんか特に、バットがサード側に飛べへんもな、リストターンしてないから。結構バット1歩2歩持って、一塁に走るの多いやろ、リストターンしてないからな、このまま打つから。だからこないして持って、(一塁側に)置くの多いやろ。こんなんみたいにリストをパーンってして、三塁側飛べへんやろ、今の右バッターて」

-小野寺に教えてる時のバットを体の左側に持っていくのもそういうことか?

「そや、おーん。今年2人くらいやな、2回くらい見たな。打った後に三塁側にバット飛んでるやつな。1年間に2回くらい見たな。今のアレやろ、見たらわかるやろ? 三塁側にバット飛べへんやろ? リストターンせえへんから。みんな持ち上げたりぶつけたりして打つしかないからな」

-飛ばすくらいの意識を持たないと。ヘッドが立たないといけない

「そや、ヘッド立たさな。手からバット離れへんよな、リストターンしてへんから。普通打ったら離すやろ。全然リストターンしてないいうことやからな」

-大山も

「大山もいけへん、左側いけへん」

-バットを地面につけるのは

「あれはもう極端にやりなさいいうことや。極端にやらんと直りませんよいうことや」

-今年2月の春季キャンプでも高山にも矯正して

「そや、やっとった。オリックスの時もやったよ、秋の練習でな、(高知)東部の時にな。だから、まあ、100やっても直らんわな。120くらい極端にせんとな。昔、ファームの時に関本がそうやった。関本なんかこないして(バットのヘッドを投手側に倒して)うっとったんよ。だから、みんな遅れるんよ。だから関本にこないして(バットのヘッドを本塁側に倒して)打たしたよ。見てみ、あいつの2軍の時の構え。そこまで極端にやってやっとこうなったんや。関本に聞いたらすぐにわかる。最初はこうやもん。これをそこまで直して。120ぐらい極端にやらんと直らんということやな。ちっちゃい時の癖があるからな。特にバッティングなんかな。最初はおかしいと思うよ。そんだけ極端に変えてるわけやからな。それをものにしたらこっちのものやもんな。また1つ引き出し増えてな、こういう打ち方もできますよってなるんやから」

-小野寺が自分の技術にしていくか

「鏡に見てみ、言うたら鏡なかったんよ。(室内に)前あったかなと思ったんやけど。見に行ったらあれへんかった。持ってきとったやつやってんな。備え付けの鏡はあるけど、でっかい等身のな」

-侍ジャパンで森下が本塁打

「知ってる、知ってる。サードが5タコやからな。サードを探さなあかん(笑い)」

-佐藤輝は1番、森下は3番

「森下の方が上、いうこと? そらホームラン打つんやから。そら1番より、3番やろ。(侍ジャパン監督の)井端もわかっとる。それで3番が打つんやからわかっとるいうことやろ(笑い)」

-ナゴヤ球場のすぐ近くにあるラーメン竜が11月22日で閉店すると。昔ワンタン麺をいつも食べていた

「おー、いつもラーメン頼んどったよ、あっこから、出前で」

-思い出の味だったか

「そうそう、おーん。『5時に持ってきて』とかいつも言うとったよ」