大学初完封で4強入りだ! 富士大(東北代表)が、上武大(関東第一代表)に1-0で勝利。先発の最速147キロ左腕・佐藤柳之介投手(3年=東陵)が3安打完封の快投で、日本ハムドラフト2位・進藤勇也捕手(4年=筑陽学園)ら上武大打線を黙らせた。打っては2回1死一、三塁のチャンスに左適時二塁打を放ち、それが決勝点。佐藤が投打で勝利を引き寄せた。

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大学で初めて9回まで投げ切った。佐藤は「長いイニングを投げられなかった。リーグ戦でも9回を投げていない」。今春はまだスタミナ不足で、6月の全日本大学野球選手権では6イニングが最高だった。だが、この日は136球を投げ抜いての完封勝利。8回を終えて119球。安田慎太郎監督(38)は「9回に『交代だよ』って言いに行った」と交代を打診したが、「うなずいてもらえなかった」。2番手も準備していたが、佐藤に降板する気はなく「『行くならお前が決めろ』と安田監督に言われたので…。最後まで投げ切れたのは良かったです」と胸を張った。

「春が一番良いと言われたくなかった」。今秋のリーグ戦では、腕が少し遅れて上体が突っ込んだり、下半身の始動が遅かったりと投球フォームに多少ズレがあったが、今秋の代表決定戦で修正。反骨心を胸に微調整を続け、そのかいあって、最速147キロの直球を軸に、好調のカーブでタイミングをずらすなど、上武大打線を翻弄(ほんろう)した。警戒していた上武大・進藤には2四球を与え「(雰囲気に)のまれてしまったのかな」と佐藤。3四球と課題は残ったが、「修正が結果に出て良かった」と一定の手応えを感じた。

19日の準決勝では、日本文理大(九州代表)-青学大(東都代表)の勝者と対戦。「どっちが上がってくるかは分からないが、投げられたら、自分のいつも通りのピッチングを。次は多分、打線が取ってくれるので…」と打線の援護に期待した。準決勝でも打線を信じ、いつも通り腕を振る。【濱本神威】

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