日本一の虎戦士が優勝締めで23年最後の戦いを終えた。「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」の決勝が行われ、侍ジャパンが韓国をタイブレークの末にサヨナラで下した。

8番に降格した佐藤輝明内野手(24)は6回に意地の同点犠飛。3番森下翔太外野手(23)も初回に中前打を放ち、“首位打者”の活躍。そろって大会連覇に貢献し、今年3度目の胴上げで歓喜の瞬間を迎えた。

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日本一に輝いてから2週間後、若虎2人が再び歓喜を味わった。サヨナラの走者が生還した瞬間、ネクストバッターズサークルにいた佐藤輝は急いで歓喜の輪へ。ベンチの森下も笑顔で加わった。リーグ優勝、日本一に続く3度目の胴上げを経験した。

「若いメンバーが集まって、キビキビしたプレーができました」。充実した表情を見せた佐藤輝が、大きな1点をもたらした。1点を追う6回1死三塁、カウント1-2と追い込まれてから、外角低めのカーブに食らいつき同点の犠飛。「なんとか最低限というのは意識してました」。苦しんだ中でのひと仕事に、観客も大歓声で応えた。

日本シリーズの激闘を終えて臨んだ今大会。好調とはいえなかった。1次リーグ全3試合連続で安打を放つも、なかなか長打が出ず。それでも井端監督は主砲の復調を信じていた。この日は8番に打順を下げながら、4試合連続スタメン出場。「監督から話してもらって、いつも通りと」。指揮官の思いが大きな1点につながった。

ルーキー森下は、世界の舞台でも強心臓ぶりを見せた。初回2死から152キロ直球を捉えてチーム初安打。得点にはならなかったが、決勝ソロを放った初戦から見せた勢いは健在。「本当に緊迫したゲームで、応援もすごかったですし、こういう試合を最後優勝という形で終われたので、すごくうれしかったです」。前夜はベンチから見守ったが、打率4割5分5厘で今大会の“首位打者”の活躍だった。

リーグ優勝、日本一、アジアの頂点とわずか2カ月で3度の歓喜の瞬間を味わった。「全部勝って、これ以上ないシーズンでした。またこのジャパンのユニホームを着て戦いです」と佐藤輝。ルーキー森下も「まずは次のシーズンの結果を残して、最終的に選ばれたらいいなと思っています」と決意新た。ともに大会のベストナインにも選出。来季はさらに飛躍し、セ連覇へチームを引っ張る。

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