侍ジャパンが韓国とのタイブレークの接戦を制し、全勝優勝で連覇を決めた。

今大会から指揮を執る井端弘和監督(48)にとっても、記念となる初優勝になった。同点に追いつき迎えた10回2死満塁、門脇誠内野手(22=巨人)が三遊間を破るサヨナラ打を放った。

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4番の牧秀悟内野手が流れを変えた。2点を追う5回2死。今大会初めてのビハインドだった。1ストライクから韓国先発・郭彬の117キロカーブをすくいあげた。歓声とともに伸びる打球は左翼席に着弾。今大会初の「デスターシャ」ポーズで、球場の雰囲気が一変した。3回の守備では無死一塁からのバントをファンブル。ピンチを拡大し、4番盧施煥の先制適時二塁打につながっていた。「自分のミスから失点に絡んでしまったので。なんとかツーアウトでしたけど得点になってよかった」。汚名返上の1発となった。

98年生まれの意地だ。野手では佐藤輝明内野手、坂倉将吾捕手とともに最年長。6回には佐藤輝、延長10回のタイブレークでは坂倉もそれぞれ同点中犠飛を放った。00年度生まれがクローズアップされた今大会。初戦の台湾戦では森下がチーム第1号の決勝弾を放ち、小園は1次リーグ3試合で、12打数6安打の打率5割を記録。門脇は優勝決定のサヨナラ打を決めた。「ミレニアム世代」が躍進した1次リーグ。同世代の98年生まれが踏ん張った決勝。世代が融合し、最後に団結した。

主将制度を設けない方針の中、牧は自然とキャプテン的な役割となっていた。試合前の円陣でも、首脳陣に背中を押され声出しを担当。ヒーローインタビューでは「言葉にするのは苦手なので(意識したのは)日々の行動とかですけど。下の人はしっかりしているので何も言うことはありませんでした」。中大でも主将として学年の壁を越えてチームを作ってきた。1学年後輩だった古賀は「牧さんの代になってから。牧さんのキャラクターもそうですけど」と当時を証言。年齢制限もある若いチームをまとめたキャプテンシーは大学時代から培われていた。

唯一3月のWBCを経験し、井端ジャパン初陣を最高の形で締めくくった。「来年以降もあるので、また井端さんのもとでできるように頑張っていきたい」。頼れる後輩たちとともに最後までチームをけん引。歓喜の胴上げで3度、宙を舞った。【波部俊之介】

 

日本佐藤輝(6回に一時同点犠飛)「なんとか最低限というのは意識してました。ちょっと浅いかなと思ったんですけど(点が)入って良かったです」

日本万波(決勝で3安打)「一発勝負の負けられない試合で結果を出せたのは自信になる。打撃も守備も全部楽しめた」

日本岡林 なにより楽しく野球できたので良かったです。すっごく充実してました。(チームでも)このようにワイワイできたらいいのかなと思います。

日本吉村(タイブレークの延長10回無死一、二塁で登板し、1失点にとどめる)「0点で抑えたかったけど、最少失点でいけた。切り替えることが出来て良かった」

日本秋広 話もたくさんさせてもらいましたし、いろんな人の考えも聞けたので、引き出しになって、すごいいい経験をした。

【アジアCS】井端ジャパンがサヨナラ連覇!白熱の日韓戦、タイブレークで門脇が決めた/詳細