ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(27)が来季先発に転向する。20日、ペイペイドームで取材に応じた松本裕一国際部部長が「もともと本人も先発に行きたいというのがあった。うちは先発陣が薄くて、特に左腕がいないというのもある。このタイミングがお互いにとっていいのではないか」と明かした。

モイネロは17年5月に育成契約で入団。わずか1カ月で支配下契約を勝ち取り、同年から中継ぎとしてフル回転してきた。通算成績は306試合で19勝9敗、135ホールド、40セーブ、防御率1・95。今季は7月下旬に左肘手術を受けて離脱したが、27試合で防御率0・98と抜群の安定感を誇っていた。

すでに「勝利の方程式」が計算できるのも大きな要因だ。今季の勝ちパターンを担った藤井と松本裕は来季も中継ぎ固定が決定。さらに守護神オスナも新たに4年契約を結ぶことで基本合意している。加えてモイネロに関しては、球団も入団前から先発適性を評価していたという。松本部長は「彼の持っている球種や賢さ、器用さを見れば、可能性は十分あると見ている。よっぽどうまくいかなければ、また本人が一番活躍できるところで活躍してもらえれば。総合的にみんながハッピーになれたらいい」と構想した。

鋭く曲がる「モイネロカーブ」は魔球とも称される。最速155キロ前後の直球と合わせ、先発でも大きな武器になりそうだ。倉野信次新1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーターは「やってみなければ分からない」と話しつつ「球種とかコントロールを見ればポテンシャルはあると思う」と話した。今季は12球団で唯一規定投球回が不在。手薄な先発陣を埋めるべく、モイネロがまっさらなマウンドで左腕を振る。【只松憲】