阪神、オリックスのリーグ優勝を祝う「阪神タイガース、オリックス・バファローズ優勝記念パレード」が23日、大阪市の御堂筋と兵庫・神戸市の三宮で行われた。

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オリックス中嶋聡監督は静かに手を振りながら、その光景をゆっくりと目に焼き付けていた。「もともといた本拠地ですので、神戸でやれるとひとつも思ってなかったので、本当によかったです」。復興を遂げた神戸の街で、神戸のファンは当時と変わらない声援をくれた。

現在の本拠地がある大阪だけでなく、神戸でパレードを行ったのは27年ぶり。当時は阪神・淡路大震災があった95年に「がんばろうKOBE」を合言葉にリーグ優勝、96年に連覇を果たした。「(ファンは)もっと近かったですね。えらい近いところにいるなっていうのは思ってましたけど」。変わりゆく町並みを見つめながら、選手として参加した過去に思いをはせた。「全然まだ復興してなかったですから」。悲しい思いをした市民にとって、オリックスは復興のシンボルで、希望の光だった。

立場は変わり、新たな感情も芽生えた。「選手の時ともまた違いますし、熱いですね。またやりたいですよね。本当にいい経験になりますよ」。指揮官として成し遂げたオリックス初の3連覇。屈託のない笑顔を見せる愛弟子たちとともに4連覇へ。「ぜひやりたいと思います。パレードもやりたいと思いますので、頑張ります」。大歓声をくれたファンへ、まだまだ見せたい景色がある。

今回のパレードは「関西シリーズ」として日本一を争った阪神と同日開催。「正直、タイガースと合同ですので、(ファンが)いなかったらどうしようかなとか、あとから多くなったらどうしようかなとか。非常にいろんなこと考えてたんですけれども」。そんな心配も吹っ飛ぶほど、うれしい光景が待っていた。また来年。今度は日本一も奪回して、神戸の街に凱旋する。【磯綾乃】

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