神整備とタッグ! 阪神中野拓夢内野手(27)が30日、第52回三井ゴールデン・グラブ賞の表彰式に出席し「鳥谷流」のコミュニケーション術で聖地での失策撲滅を誓った。今季9失策のうち8個が本拠地甲子園で犯したもので課題は明確。グラウンド整備を担う阪神園芸のスタッフと連携を密にした現役時時代の鳥谷敬氏(42=日刊スポーツ評論家)のように、グラウンドキーパーと一体となって2年連続で守備の栄誉を目指す。

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球界の名手たちが集結した都内のホテルで、中野が「ゴールデングラブ賞死守計画」を練っていた。

「ショートを守っている時から、鳥谷さんが昔、園芸さんと話をしていたと聞いていたので。自分も内野を守る上で、その日の土の状態を頭に入れておかないといけない。コミュニケーションをもっと取れるようになっていければいい」

遊撃から二塁へのコンバート1年目で黄金のグラブを手にしたが、今季の9失策のうち、8個が甲子園でのもの。「甲子園で一番エラーをしてしまった。(グラウンド状況は)言い訳にできない」と誰よりも課題を痛感している。そこで思い出したのが、現役時代に日々、土を触って状態を確認し阪神園芸のスタッフと直接対話していた鳥谷氏の話だ。

天候、気温などでグラウンドコンディションが変わる屋外の本拠地。水分を含んで土が軟らかい日もあれば、太陽に照らされ硬い場合もある。今季は「(土を)固めてくださいとか、そういう話はあまりしてない」と、中野から注文することはほとんどなかったという。毎日が同じ土の状態とは限らないが、ホームだからこそ自分好みの仕様に寄せることは可能だ。

「そのへんも、もう少しこだわりを持ってやっていってもいいと思います」。かつての鳥谷氏のように時にはスタッフに要望し、時には意見を聞き入れ守備向上に役立てるつもりだ。「神整備」として知られる阪神園芸と密なコミュニケーションを図り、甲子園の土と仲良くなってみせる。

二塁手部門で10年連続受賞していた広島菊池の逆襲も受けて立つ。「菊池さんも来年、取り返す気持ちで来ると思う」と覚悟はできている。「その気持ちに負けないように、自分もしっかり練習して、もっともっとうまくなりたい。1年だけじゃなく連続でとるのが大事だと思うので、来年の活躍が大事。そこはしっかりとっていきたい」。2年連続、いや、その先もずっと。黄金のグラブがいつまでも似合う男になる。【中野椋】

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