DeNAドラフト3位武田陸玖投手(18=山形中央)が7日、山形県高野連に、9月に行われたU18W杯の優勝を報告した。同大会にアシスタントコーチとして帯同した酒田光陵(山形)の加藤勇次監督とともに、対戦相手の印象や自身の感じたことをまじえながら、激闘を振り返った。

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初めての日本代表は、オープン戦から“初めて”の連続だった。8月28日に対戦した大学日本代表には、今年のドラフト1、2位がズラリ。武田は「見たことのない球だった。『当たってくれ』と思ってバットを振るしかなかった」と苦笑い。スーパーラウンドでは台湾の応援に圧倒され、加藤アシスタントコーチが「なんて言っているか分からない応援が、意外とストレス」という言葉に深くうなずいた。

決勝前日の9月9日、馬淵史郎監督(68)の「明日だけ勝て」という言葉に闘志が燃え上がった。「とにかく勝ちたいとだけ思っていた。心が燃えたというか、あの言葉を聞いて本当に『やってやろう』と…」。決勝・台湾戦では4回無死一塁で、高校野球で自身2度目のバントに挑戦(1度目は9月2日パナマ戦)。武田は「(バントは)ジャパンに合流してから練習し始めました。本当に緊張しました。できる気がしなかった。不安でしかなかった」と当時の胸中を明かした。しかし、結果は見事成功。1死二塁にチャンスを広げ、その後の逆転劇につなげた。投げては3試合に救援登板し無失点。初の代表で実力を存分に発揮した。

報告会の最後には、3年間お世話になった山形県高野連にあいさつ。「山形を離れてしまいますが、山形にいたとき同様、自分らしく楽しくプレーして、山形県の皆さんに、自分の活躍している姿で喜んでいただけるように頑張っていきたいです」と意気込んだ。山形の“星”として、新天地・横浜で輝いてみせる。【濱本神威】

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