そら「第2の大竹」よ-。出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化する「現役ドラフト」が8日、オンラインによる非公開で行われ、阪神は来季6年目の最速152キロ右腕のオリックス漆原大晟投手(27)を獲得した。初開催となった昨年はソフトバンクから大竹耕太郎投手(28)を指名し、チームトップの12勝を挙げるなど大活躍。2年連続となる現役ドラフト組の大ブレークに期待だ。

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岡田監督の選択に迷いはなかった。2年目の開催となった現役ドラフトで、日本シリーズで激闘を繰り広げたオリックスの漆原を指名した。甲子園で取材に応じた指揮官は晴れやかな表情を浮かべ、右腕の加入を歓迎した。

「先発やってて中継ぎになってからな、すごくよかったというのは聞いたし、ある程度迷わずしてな。(指名は)うまいこといったから、よかった」

新助っ人のハビー・ゲラ投手(28=レイズ)に続く補強第2弾となった。育成出身の漆原は、最速152キロの直球を軸にフォーク、スライダー、カーブ、シュートを織り交ぜ、20、21年と守護神を務めた経験もある。映像をチェックしていた指揮官は「1軍でちょこっと投げたみたいやけど、そこまで戦力になってなかったけど、(チームが)変わればな、可能性あるなと」と大きな期待を寄せる。

現役ドラフト初開催の昨年は、早大の後輩でもあるソフトバンクの大竹を指名。キャリアハイでチーム最多の12勝を挙げるなど、リーグ優勝、日本一に大きく貢献した。リーグが変わり、新天地で躍進を遂げた成功例があるだけに、「セ・リーグでやってるピッチャーより、パ・リーグの方がええかないうのもあるしな。(対戦相手にとって)分からん方がいいに決まってるし。バッターもまた違うと思うし」とうなずいた。

昨年は先発左腕に狙いを絞り、今回は「野手は全然考えんかったんや。左はもういらんかった」と右腕に標準を絞った。先発、中継ぎの起用法は「まだそこまで決めてない。これでキャンプとかでどういうボール投げるというか、実際に見て。楽しみは楽しみやけどな」と心待ちにした。

ただ、阪神でも古巣で実績を残したリリーバーとして起用される可能性は高い。中継ぎ右腕では今季加治屋、石井がフル回転。さらに来季の復活を期し、岡田監督も“新戦力”として期待を寄せる湯浅も勝ちパターン争いに加わる。抑えも決まっていない状況で、漆原の加入は競争をさらに熱く盛り上げることになりそうだ。【古財稜明】

【現役ドラフト】詳細まとめ