目指せ「バレルマン」! 阪神佐藤輝明内野手(24)が24日、米シアトルの最先端野球トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」での自主トレを終え、帰国した。現地では打撃フォームの動作解析や「バレルゾーン」に打球を飛ばす猛特訓を敢行。さらなる本塁打増へ、大きな手土産を持ち帰った。この日は大阪市内のホテルで球団ファンクラブ会員向けの「クリスマスプレミアムパーティー」に参加。クリスマスイブに飛躍を誓った。

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佐藤輝がメジャー流のヒントを日本に持ち帰った。優勝旅行先のハワイからチームを離れ、向かった先は米本土。最先端の動作解析などが行えるシアトルの「ドライブライン・ベースボール」で5日間、トレーニングに励んだ。太平洋の向こう側で鍛錬を積んだ大砲は「良かったと思います。分析結果と課題も出たので、それをもとにやっていきたい」と納得顔だった。

「一番は調子の波を少なくすること」が目的だった。「調子がいい時はいいんですけど、悪くなった時にどういう動きが出ているのかなって。向こうのコーチとも話し合いながら」。

今季は打撃不振で2軍落ちも経験。一方で9月には打率3割4分4厘と打ちまくり、18年ぶりのリーグ制覇に貢献した。シーズン後半を振り返り「ずっとあの状態が続くのが理想ですけど…続けます。調子が悪い時を少なくして、というのが一番」と理想を描く。

カギは「バレルゾーン」への打球を増やすことだ。バレルゾーンは長打になりやすいとされる打球速度と角度を組み合わせたゾーン。近年では長距離打者にとってキーワードの1つとなっている。現地では動作解析に尽力し、データも抽出。「測定とかいろいろやって、分析結果と課題も出た。それをもとにまたやっていきたい」とイメージする。

ボールを置いた状態でのティー打撃などで実践する練習用のドリルも学び、「とりあえず自主トレでやってみて」と取り組みを継続する予定。パワー自慢の背番号8がバレルゾーンへ打球を飛ばすコツを覚えれば、本塁打量産の確率は高くなる。今季は自己最多タイの24本塁打。米国での学びを糧に“バレルな男”になれば、30発超えは現実的な目標といえる。

この日は午前中に帰国し、休む間もなく午後は球団ファンクラブ会員向けのクリスマスパーティーに参加。クリスマスイブに虎党と盛り上がり「いい結果を出して、それがプレゼントになれば」と“テルサンタ”として約束した。【村松万里子】

◆バレルゾーン 長打になりやすいとされる打球速度と、角度の組み合わせを意味する。打球速度が98マイル(約158キロ)以上なら26~30度、116マイル(約187キロ)以上なら8~50度で飛び出した打球が該当する。米大リーグでは15年から選手やボールの動きを数値化する「スタットキャスト」システムを導入。「いい打撃とはフライを打つこと」という考えが浸透し、打球の角度と速度が重視されるようになった。

◆ドライブライン・ベースボール 米国シアトルやフェニックスにある、最先端のトレーニング施設。ハイスピードカメラによる動作解析などを導入し、個々のデータに合わせた科学的なアプローチで選手のパフォーマンスを向上させてきた。専門家が常駐しており、重さが異なる特注のボールを使ったフォームチェックなどに定評がある。米大リーグでは、大谷やダルビッシュらも利用している。

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