「金の卵」はモノが違う! ソフトバンクのドラフト1位、前田悠伍投手(18=大阪桐蔭)が15日、宮崎春季キャンプ第4クール初日にプロ入り後初めてブルペン投球を行った。捕手を立たせて計20球。力感のないフォームで一定のリリースから力強い直球を投じた。熱視線を送った小久保裕紀監督(52)は未来のエース候補を大絶賛。今季中の1軍デビューも視野に、球団考案の「特別育成プログラム」に沿ってじっくり育て上げられる。

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「金の卵」がついにベールを脱いだ。前田悠がプロ入り後では初のブルペン投球を行った。捕手を立たせて計20球のみだったが、小久保監督をうならせるには十分な球数だった。指揮官は興奮気味に「率直にモノが違うなと。あれだけリリースが一定でバランスを崩さずに初ブルペン。『どこをいじるの?』と思いました」と大絶賛。非の打ちどころがなかった。

マウンド横にブルペン捕手の真横、真後ろからと、指揮官は3方面から熱視線を送った。倉野投手コーチも見守る。1軍首脳陣からの視線も当然感じたが、18歳左腕は「張り詰めた空気感というか、高校の時も甲子園を経験している。特に緊張感はなかった」とさらり。平常心でバランスのいいフォームからテンポ良く直球のみを投じた。指揮官は「僕が1球だけ(ブルペン捕手の)真後ろに行ったけど、構えたところにきていた。どんな状況であっても体のある程度のバランス、出力の出し方ができ上がっている」と目を細めた。

未来のエース候補は球団考案の「特別育成プログラム」に沿って、焦らず、じっくり育てられていく方針だ。新人合同自主トレではブルペン投球を1度も行わず、この日の初ブルペンも倉野投手コーチいわく「予定通り」。出力は8割程度で球速は140~143キロだった。今キャンプ中に2度目のブルペン投球も予定しているが、最短でも中2日の間隔を空け、トレーナーから体の状態をチェック受けた上で行う。17、18日には紅白戦、その後は練習試合も控えるが、実戦デビューはお預け。あくまで慎重に調整を進めていく。

小久保監督は「きっちり将来のエース候補として育て上げるのが我々の役目」と強調した上で、今季中の1軍デビューについて「全然、可能性はある」と言い切った。前田悠は「早く1軍に上がって、まずは初勝利を挙げたい」と青写真を描いた。スター就任へ、段階を踏みながら1歩ずつ駆け上がる。【佐藤究】

 

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