気温4度、冷たい雨が降り注ぐ中での試合も、1月1日付で東海大の新監督に就任したばかりで、初の対外試合を終えた長谷川国利監督(61)の心は晴れ晴れとしていた。

就任から約2カ月。選手たちの力を引き出した。

3回1死一、三塁から、1番・鵜沼魁斗外野手(3年=東海大相模)が3ボールからの真っすぐを捉え、中越え本塁打で3点先制。3-1で迎えた4回には先頭の小甲大貴内野手(3年=東海大諏訪)の左越えソロで1点追加した。5回裏、ENEOSに同点に追い付かれたところで雨脚が強まり、同点のまま試合終了。長谷川監督は「みんな集中力があってよかったですね」。選手たちを頼もしく見つめた。

就任以来、力を入れたのは打撃強化だった。先制の3ラン本塁打を放った鵜沼は「去年に比べ圧倒的に振る量が増えた」と、この2カ月を振り返った。長谷川監督も「一緒に寮に住んでいますが、夜中まで練習している声や音が聞こえます。目の色をかえてやっている姿を見ていた。手にとるようにバットのスピードも上がり打撃の調子はあがってきている」と、選手たちの努力を目の当たりにした。初白星は飾れなかったが、社会人野球の強豪・ENEOSに対し、バントのサインはなし。積極的にバットを振り、先手を取った。その成長は手にとるようにわかった。

久しぶりに母校のタテジマのユニホームに袖を通し、いよいよ戦闘モードだ。「昔懐かしいユニホームを着させてもらって。すごく気持ちの高ぶりはありました。開幕に向け、質も量も上げて調整をしていきたいですね」。チームは26日から3月6日まで沖縄・国頭でキャンプを行い、開幕へ向け、より細かいプレーを突き詰めていく。

「昨年は春5位、秋3位。やられっぱなしではね。今年は最初からやりにいかないと」

指揮官の目が光った。【保坂淑子】