大逆転ローテ入りへ、ソフトバンク石川柊太投手(32)が好投を誓った。12日巨人戦(鹿児島)に先発し、オープン戦初登板で60球をめどに投げる予定。福岡・筑後市のファーム施設で前日調整を終えた右腕は穏やかな口調で、強い覚悟をにじませた。

「(今年)初めての1軍登板。立場的にアピールをしないといけない。結果をもちろん求めつつ内容も」

開幕まで1カ月を切ったが、ここからの巻き返しを図る。春季キャンプ終盤に右肘の張りを訴え、スロー調整を強いられた。すでに患部は「問題ない」と完治し、7日に関西独立リーグ選抜の練習試合で実戦復帰。2回無失点に抑え、直球、得意球のパワーカーブ、スライダー、フォークと全球種に手応えもあった。中4日で巨人を相手に「打者と戦う前に自分との戦い。シーズンと同じような気持ちで投げることがテーマ」と本番さながらモードで、鹿児島のマウンドに立つ。

結果次第では今後の立ち位置を左右する。現状では開幕投手の有原、ベテラン和田の2人がローテ入りを確定させている。モイネロはほぼ当確で事実上残り3枠となった。中田1軍投手コーチは「ここから選定していかなくちゃいけない。重要な一戦になる」。東浜を筆頭に、スチュワート、大関、板東、大津と石川も含め計6人が候補。「どんどん戦ってもらって、自分のものを出してもらう形になる」と生き残りを懸けた本格的なサバイバルを予感させた。

昨季は4勝8敗、防御率4・15。8月18日西武戦でノーヒットノーラン達成後は、6戦3敗でシーズンを終えた。悔しさも胸にする実績十分な右腕は「開幕に向けて戦わせてもらえる場があることはありがたい。その中で自分ができることをマウンドで表現する」と足元を見つめ、逆転ローテ入りを実現させる。【佐藤究】

○…ソフトバンク中田1軍投手コーチが、先発候補の板東に期待した。巨人戦に2番手で登板予定。4回を想定しており「両サイドに真っすぐをしっかり投げ切る意識を強く持って投げてほしい」。春季キャンプ中には不調に陥ったが、オープン戦ではここまで2試合に登板。4イニング連続無失点中とアピールを続ける右腕に「自分のペースでゲームに入っていけるようになった」と目を細めた。

◆開幕ローテーション争い 残り2、3枠となっている。3月29日オリックス戦で開幕投手を務める有原、4月2日のロッテ戦で本拠地開幕投手に決定した和田がすでに確定。今季から先発に転向するモイネロは開幕カード第3戦がほぼ当確となった。東浜はキャンプ中から好調な仕上がりぶりを披露し、6日西武戦では4回を無失点とローテ入りに前進した。スチュワート、大関、板東、大津、石川の計6人が現状のローテ候補に挙がっている。

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