オイシックス新潟が、歴史的一戦となったイースタン・リーグ開幕戦でヤクルトに1-2のサヨナラ負け。8回から4番手で登板した吉田一将投手(34)が、9回裏2死満塁でヤクルト鈴木に中前打を浴びた。だが、自身初の開幕投手を務めた薮田和樹投手(31)が5回1失点の好投。3回には知念大成外野手(23)が先制三塁打を放ち、記念すべきチーム初得点も生まれた。17日もヤクルト(戸田)と対戦する。

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初の大役を全うした。初回に2死から連打を浴び、一、三塁のピンチを招いた。だが5番太田に投じた渾身(こんしん)の真っすぐで空振り三振を奪い、切り抜けた。「(三振の)1球前に声も出して決めにいったけど、ボールって言われて恥ずかしい思いもしたけど、その後にちゃんと(ストレートで)三振で仕留め切れたことはよかった」。

キャンプからテーマに掲げた力強い真っすぐが、うなった。試合前日にも「強いストレートが皆さんが自分に持っている印象だと思っている。そこをもう1回戻すことが必要」とこだわりを持っていた。初回は変化球中心だったが、2回以降は真っすぐを増やし、3回には149キロ。80球を超えた5回に自己最速156キロに迫る、151キロをマーク。「めちゃめちゃうれしい。なかなか50の壁を超えられなかったので、出たことは次につながる」と満面の笑みを見せた。

4回に突如制球を乱し、2安打2四球で同点に追いつかれ、悔しげな表情を見せた。「振り返ってもピンチを背負う場面が多かった。もっとサクサクいけたかな」と反省。それでも教育リーグを通して「今日の方が良い内容」と確かな手応えをつかんだ。

球団として待ち望んだ1戦に全力を注いだ。「本当に試合を作れて良かったというのが一番。『全然通用するぞ』というのを野球界全体のファンの皆さんに認識してもらわなきゃいけないので、そういった意味ではいい1歩目になったと思います」。戦いは始まったばかり。ここから結果を積み重ねていく。【大島享也】

 

○…知念がメモリアルの一打を放った。3回1死一塁で、ヤクルト先発阪口のカットボールを狙い澄まし、右翼へ先制三塁打。これがチーム“初打点”となった。三塁ベース上ではとびっきりの笑顔を見せたが、「(初打点は)特に意識はしてなかったんですけど、結果的に長打になって良かった。自分の打点じゃなくて、チームで取った1点だと思うので、明日からの試合につなげていけるようにまた頑張りたい」とクールに振り返った。