オイシックスは先発のドラフト候補、下手投げの下川隼佑投手(23)が6回を4安打5奪三振、失策絡みで4失点も、初回を3者三振に抑えるなど地力を発揮し、自責点0で投げ抜いた。試合はヤクルトに0-8で敗れ、2連敗。イースタン初勝利はならなかった。

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下川はホッとしたような笑顔を見せた。6回裏2死一、二塁のピンチ。ヤクルトの1番並木秀尊(24)を空振り三振に仕留め、ベンチに戻り、チームメートとタッチを交わした。

6回を94球で4安打。下手投げ特有の浮き上がる直球を武器に1回を3者三振。プルペンでの感触は良かった。「真っすぐの強さで押していけたら」。プラン通りに試合に入れたことで気持ちは落ち着いた。5回に失策絡みで4点を失ったが、それ以外は安定していた。「初めての対戦なので強みを見せられるように」と気持ちは前向きだった。

クイック気味のモーションから最速137キロの直球とカーブ、スライダーなどの変化球を操る。昨季、BCリーグで11勝を挙げたサブマリンはドラフト候補に名を連ねたが、指名はなかった。NPBのファームが相手の今季は絶好のアピールの場だ。開幕2戦目に回ってきた今季初登板で、さっそく実力の片りんを披露した。

橋上秀樹監督(58)は「下川はよかった」と好投を評価。同時に「(5回のように)走者を背負ってからの投球は課題。そこまでいい投球をしていても評価が台無しになってしまう」とリズムを崩した中でも抑えきることを要求した。今秋のドラフト会議を見据えてのテーマは下川も実感している。「走者を背負って力みがあった」。そんな反省も収穫の1つになった。【斎藤慎一郎】

 

○…4番小西慶治(25)が4打数2安打。初回に右前、8回に中前と力で運んだ。「どんな当たりでも安打がつけば状態は上がって来る。スタートダッシュとして打てたのはよかった」と16日の1戦目に続く2安打に胸をなで下ろした。教育リーグ、オープン戦、紅白戦と試合に出続け、上体を倒し気味だったフォームを修正するなど調整を進めてきた。「ほかの選手よりも打席をもらっている。その分、結果を残したかった」と話した。

 

○…オイシックスの5回、8回の4失点はミスから。計4つの失策が響いた。打線は7安打を放つがすべて単打。イニングの先頭が出塁したのは8回の元DeNA田中俊太(30)の死球と、代打の高義博(19)が左前打を放った9回表の2度のみ。投手陣は元巨人の三上朋也(34)が2番手で7回の1イニングを1安打無失点。140キロ台後半の直球を武器に無難に抑えた。