昨季日本一の阪神が、巨人との開幕カードで2連敗を喫した。しかも2試合連続の完封負け。開幕2戦連続完封負けは、球団では88年以来2度目という珍事だった。

阪神にとっては嫌な黒星2つだ。50年の2リーグ分立後、セ・リーグの優勝チームは昨年の阪神まで74チームある。そのうち開幕2戦連続黒星スタートから優勝したのは、21年のヤクルト(開幕3連敗)など13チーム。しかし、阪神は過去のリーグ優勝6度で、1度も連敗発進がない。○○、●○のどちらかで、2戦目までに1勝はしている。1リーグ時代の4度の優勝を含めても開幕連敗はない。つまり、連敗発進だと優勝したことがないともいえる。

開幕数試合でシーズンの行方を占うのは時期尚早だが、スタートはいいに越したことがない。セの優勝74チーム中、開幕3戦(同一カード3連戦でない場合もあり)を勝ち越したのは7割超の52チーム。やはり、好発進しているチームが多い。

逆に開幕3連敗したとしても、そこから盛り返した例はある。開幕3連敗以上からセ・リーグ優勝したのは過去7チーム。08年の巨人は5連敗しているし、60年の大洋(現DeNA)はなんと開幕6連敗から優勝している。

開幕カード負け越しが決まった阪神が、今後どんな軌跡を描くのか興味深い。ファンも一喜一憂する143試合が、今年も始まった。【遊軍 高垣誠】