DeNA打線が昨季のMVP右腕をのみ込んだ。きっかけを作り出したのはゴールデンルーキー度会。セ界初の新人での開幕から2試合連続アーチを描いた開幕カードのド派手な活躍とは対照的に、初のビジター開催では渋く輝いた。1回先頭、阪神村上のボールに落ちる球を2球、どっしり見極めた。最後は引っかけた直球を見逃して四球。制球力に定評のある右腕から出塁を勝ち取った。

1死から佐野が右前打でつないで打球判断良く三塁へ進塁。敵失の間に本塁生還した。昨季は全登板で1回の失点がなかった村上から先制点を挙げた。さらに2死満塁からは7番山本が粘って9球目で右中間への3点適時三塁打。地元が京セラドーム大阪のある大阪市大正区出身の扇の要は「中軸にいい打者がたくさんいる。6、7番が大事になってくる。いい形で追加点を奪うことができて良かった」と躍動した。

3回には相手野選でさらに1点を追加し、3回5得点でMVP右腕をマウンドから引きずり降ろした。三浦監督は1回先頭、四球を選んで流れを作った度会に「いい形で打席の中でボールを選んでくれた。打つだけじゃなくて出塁も、しっかりと役割を果たしてくれている」と称賛。2四球と1安打で3出塁とリードオフマンとしていぶし銀の活躍だった。走者一掃の一打で勝利をたぐり寄せた山本には「あそこで1点で終わるのとはえらい違い。よく打ってくれました」と感謝した。

度会から始まる上位打線と、山本らが控える下位打線ががっちりかみ合って、3連戦のカード頭で白星発進。昨季王者を相手に堂々たる戦いぶりを示した。MVP右腕でも関係ない。抜群の破壊力を持つ個人個人が、己の役割を果たしてつながる24年のDeNA打線。セ界のエースたちを次々となぎ倒していく。【小早川宗一郎】

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