筒香嘉智外野手(32=ジャイアンツFA)がDeNAに復帰することが13日、決定的となった。

交渉は最終段階に入っており、細部の条件がまとまり次第、正式決定となる見込み。19年オフにポスティング・システムを利用してレイズに移籍。21年シーズン途中からドジャース、パイレーツなどメジャー、マイナー、独立リーグを含む7球団を渡り歩いた。今季はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加したが、3月21日に退団となっていた。

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筒香サイドとDeNAが水面下で行っていた交渉が大詰めに入った。ここまで、少なくともNPB5球団以上のオファーがあり、いずれの球団からも大型契約を提示された模様。近しい関係者によると「どのオファーにも感謝を示している」と話していたという。代理人のワッサーマン・メディアグループのジョエル・ウルフ氏からサポートを受け、移籍先を熟考してきた。

メジャー挑戦はいきなり不運に見舞われた。1年目の20年は新型コロナウイルスの世界的パンデミックで、開幕が7月下旬までずれ込んだ。ブルージェイズとの開幕戦で1号2ランを放って鮮烈デビューも、シーズンが半分以下の60試合に縮小された。打率1割9分7厘、8本塁打にとどまった。21年シーズン途中からドジャース、パイレーツと渡り歩き、マイナー、独立リーグを含む7球団を転々とした。

メジャーの壁にぶち当たり、マイナーでもがき、所属チームさえ見つからない日々を過ごした。その全ては、貴重な経験だと美談にはならない。ただただ孤独な闘いだった。当時は「一緒にやっていた選手もいるし、新しい選手もいる。正直、気にはなりますよね」と話し、古巣DeNAの戦いぶりは筒香のエネルギーの一助になっていた。

今季はジャイアンツとマイナー契約を結び、招待選手としてメジャーキャンプに参加。だが、3月13日にマイナー降格、21日に退団となった。その後も米国内で練習を続けてきたが、9日に帰国。日本復帰の決断に際し「プロなので結果に対して言い訳はできない。でも、野球はまだうまくなると思っているし、まだ何かが終わったとは思っていない」と言った。

DeNAからは19年オフのメジャー挑戦表明と同時に「日本でプレーすることになったらベイスターズに戻ってきてほしい」と伝えられていた。今回も球団は「その気持ちは今に至るまで変わっておりません」と声明を出し、一貫した姿勢を示した。一気に過熱化した筒香争奪戦は最終盤に入り、決着のときを迎えようとしている。あの大砲が5年ぶりに横浜に舞い戻る。

◆筒香嘉智(つつごう・よしとも)1991年(平3)11月26日、和歌山県橋本市生まれ。横浜高では1年から4番を任され、通算69本塁打。09年ドラフト1位で横浜入団。14年から6年連続20本塁打以上で、16年に本塁打王、打点王の2冠。ベストナイン3度(15~17年)。19年オフにポスティングでレイズ移籍。ドジャース、パイレーツなどを経て今季はジャイアンツのマイナーで開幕。15年プレミア12、17年WBC日本代表。185センチ、102キロ。右投げ左打ち。