上々すぎる4月フィニッシュや! 首位阪神が3試合連続となる今季10度目の逆転勝利を飾った。投打がかみ合って3連勝。貯金を今季最多の6に増やし、2位巨人に2・5ゲーム差をつけた。先発した村上頌樹投手(25)は初回初球に先頭打者弾を浴びながら、1失点で今季チーム初の9回完投勝利。規定投球回に到達し、防御率2位に割り込んだ。18年ぶりのセ界制覇を達成した昨季の4月終了時貯金は3。早くも独走態勢に入りつつある!?

村上は動じなかった。初回、1番秋山にいきなり初球を捉えられた。人生で初めて浴びた初球先頭打者アーチ。赤く染まったマツダスタジアムが、1球で広島ムードに包まれた。その後も失策などが絡み、無死一、二塁。たまらず集まった内野陣の輪の中でも、右腕の表情にこわばりはなかった。

「(被弾の影響は)そこまでなかった。1点取られたんですけど、ここからまた振り出しという感じで思っていたので」

4番松山を迎えた追加点のピンチ。左飛で1アウトを奪うと、続く坂倉、宇草も打ち取った。先制点を奪われながらも、相手に傾きかけた流れを一気に引き戻した。

2回以降は尻上がりに調子を上げた。80キロ台のスローカーブなども織り交ぜながら、三塁を踏ませない快投を継続。9回112球を投げきり、7安打1失点で今季2勝目を挙げた。自身にとっては昨季プロ初勝利を挙げた4月22日中日戦以来、チームでは今季初の9回完投勝利だ。

「長いイニングを投げたいというふうに思っていたので。そういう部分では、9回を投げきれたのは良かったかなと思います」

規定投球回にも再び到達。奪三振数28とともに、防御率1・06で一気にセ・リーグ2位に登場した。

「防御率も良くなってきていると思いますし。イニングもしっかり投げられたので、そこが一番かなと思っています」

昨季のセ・リーグ最優秀防御率右腕にとっては何よりもこだわる数字だ。昨オフの契約更改時も「2年連続」を目標に掲げ、無駄な失点の削減を課題に挙げてきた。岡田監督も「3回くらいからやな。カーブとかな、うまくタイミング外すというか。持ち味が出だしたんがな」と評価。防御率タイトルの大本命が本領発揮の好投だ。

マツダスタジアムではプロ初の白星。チームをすべて逆転勝ちでの3連勝に導き、ヒーローインタビューでも笑みがはじけた。「チームが勝てるように腕を振って投げたいと思うので、また応援お願いします!」。「火曜日の男」が盤石な投球で虎の先発ローテを支えている。【波部俊之介】

◆阪神は4月を終え、15勝9敗3分け、勝率6割2分5厘。同じ時期の勝率6割以上は21年の6割9分(20勝9敗)以来3年ぶりで、00年以降では6度目だ。なお昨年の4月末は13勝10敗1分けの5割6分5厘で首位DeNAから3ゲーム離された2位だった。

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