「ヒロミックス」達成だ。日本ハム伊藤大海投手(26)が「日本生命セ・パ交流戦」の中日戦で100球未満の完封勝利「マダックス」を達成した。9回98球を投げ、3安打無失点で5勝目。チームの連敗を3で止めた。完封は昨年8月26日西武戦以来で、本拠地エスコンフィールドでは初めて。新人からの4年連続完封は、球団ではダルビッシュ(現パドレス)以来。チームは5日ぶりに2位に再浮上した。
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伊藤がテンポの良い投球で中日打線を翻弄(ほんろう)した。9回2死、福永を力のある146キロ直球で二ゴロに打ち取ると、右手を強く握り高く掲げた。駆け寄った決勝打の田宮と抱擁し「(田宮)ゆあはいつも打ってくれます。いつも自信満々にサインを出して引っ張ってくれるので、これからもついていこうと思います」と感謝した。
9回中、5イニングを10球未満で打ち取った。「いいコースにっていうより、どんどんストライクゾーンに集めるという形ができた。真っすぐでファウルが取れていると、こういう結果につながる。あらためて、その重要性は感じました」。98球のうちボール球は25球。ストライク率74・5%の省エネ投球だった。
尊敬する打者を封じた。プロ入り1年目の名護キャンプで、中田と釣りに出かけた。「『この先抑えてももうプロ野球選手だし、打たれても相手もプロだから気にすることない』と言ってくれたのすごい覚えてます。今でも大事にしてます」。その先輩との初対戦は3打数無安打2三振。4回2死一塁では外角低めのスイーパーで空振り三振に斬り「北海道で野球をしてきて、ずっと見てきたバッター。対戦もうれしいですし抑えられたのはプロ野球選手としてすごくうれしい」と手応えを口にした。
前回登板した5日の広島戦は、7回6安打3失点で今季初黒星。「悪い流れを持ってきてしまい申し訳なかったと、1週間感じて取り組んで来た。明日(先発の)福島蓮が余計なこと考えずに投げられるよう、最後まで思い切って投げようと頑張った」。自分だけでなく、チームに流れを呼び込めるピッチングを、続けていく。【永野高輔】
▼西武隅田が99球、日本ハム伊藤が98球で、それぞれ初めて100球未満の完封をマークした。西武の100球未満完封は88年9月1日の松沼博久(阪急戦で99球)以来。日本ハムでは22年4月19日の加藤貴之(楽天戦で90球)以来だった。1日に2人が100球未満の完封勝利を記録したのは、66年7月3日に石岡康三(サンケイ)が広島を99球、渡辺泰輔(南海)が東京を90球で完封して以来、58年ぶり。
◆マダックス 100球未満での完封を意味する造語。大リーグのブレーブスなどで通算355勝を挙げ、殿堂入りしたグレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力で「精密機械」と呼ばれた。
▽日本ハム田宮(1回に小笠原の直球を捉えて決勝の先制右前適時打)「最初の打席はしっかり真っすぐを打たないと。いいピッチャーなので」



