日本ハム浅間大基外野手(29)がチームを救った。ロッテ戦(エスコンフィールド)で同点の9回2死二塁で代打で登場。レギュラーシーズンではルーキーイヤーの15年以来となる、10年ぶり2度目のサヨナラ打を放った。移籍組を除けば、球団最長ブランクとなる劇的な一打で連敗を2でストップ。奇跡の逆転Vへ、まずは首位ソフトバンクとのゲーム差を1つ縮めて「3・5」とした。
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浅間が、お立ち台で絶叫した。「興奮マックス、アサマ-ックス!」。モヤモヤした試合展開を、スカッと終わらせた。出番は同点の9回2死二塁。代打として打席へ向かうと、考えはシンプルだった。「甘い球、来い」。余計なことは考えなかった。割り切って、初球からフルスイングを続けた。空振り、空振り、ファウル。最初の3球は捉え損ねたが「そこも気にせず」に4球目の154キロ直球を捉えた。
打球は前進守備だった左翼の頭を越えた。サヨナラ適時二塁打。笑顔のチームメートが次々と駆け寄って、もみくちゃにされた。「ほんと、あの瞬間は最高」。昨季はCSファーストステージ第3戦でもサヨナラ打を放ったが、レギュラーシーズンでは高卒ルーキーだった15年9月23日ソフトバンク戦(札幌ドーム)以来3650日ぶりに味わう歓喜だった。
あれから10年が経った。「いろんな、いい経験も悪い経験もしてきた。その中で、ああいう場面って考えても打てないなって。自分を信じて、割り切ってって感じで行きました」。これまで積み重ねた経験値を、ここぞの場面で生かした。リーグ優勝へ向けて、もう負けられない今のチーム全体にも必要なメンタル、思考で、ミスも多く出てもつれてしまった試合を勝利に導いた。
浅間のサヨナラ打に跳びはねて歓喜した新庄監督も「もともと実力のある子なんで。今日は(相手先発が)左っていうところでスタメンではなかったですけど、明日は考えます」と笑顔だ。敗れた首位ソフトバンクと3・5差に縮め、優勝マジックも減らさなかった。大きな1勝をもたらした浅間は「勝つことが何より大事だと思う。どんな内容であれ、また明日につながる」。奇跡の逆転Vへ、経験豊富な背番号8がチームを1つ前進させた。【木下大輔】
▼浅間がサヨナラ打。浅間は昨年CSファーストステージのロッテ戦でもサヨナラ安打を放っているが、公式戦では高卒新人の15年9月23日ソフトバンク戦(二塁打)以来10年ぶりとなった。サヨナラ打の最長ブランクは53年呉昌征(毎日)、10年前田智徳(広島)の16年ぶりだが、移籍選手を除いた日本ハムの選手では島田誠の8年ぶり(80年→88年)を上回る球団最長ブランクになる。
▼日本ハムは今季10度目のサヨナラ勝ち。昨季も10度マークしており、2年連続で10度以上のサヨナラ勝ちは55年12度、56年10度の毎日、93年14度、94年11度のヤクルト、00年10度、01年12度の阪神に次いでプロ野球4度目。



