今春ENEOSに入社した中野大虎投手(18=大阪桐蔭)は大会を通じて5試合にベンチ入りしたが、関西で初の凱旋(がいせん)登板は、お預けとなった。

チームは、2大会ぶり28度目の社会人野球日本選手権(京セラドーム大阪)出場枠獲得へ奮闘したが、決勝であと一歩及ばず。

今年1月下旬に入寮後、過酷な食トレで自己最速を1キロ更新する151キロをマーク。体重は8キロ増量で公式プロフィルの体重78キロをゆうに超えた。「たった1イニングでも、しっかり投げきるのが僕の役割」。登板機会はなかったが、心の準備はバッチリできていた。

今春、母校はセンバツを制したが、大会中はプレッシャーと闘う恩師・西谷浩一監督(56)をメールで必死に励ましていた。

秀でた視野の広さは、卒業後も健在だった。大会中にはノッカーへのボールパーソンをはじめ隅々でサポート。最終日は試合開始前に先発投手がロジンを持ってくるようベンチに訴えると、すかさずベンチからロジンを持った中野が現れ、マウンドにダッシュした。

昨秋はプロ志望届を提出。NPBのドラフト会議で指名を受けられず、卒業後の進路をENEOSに絞ってからは、日本選手権の本大会が行われる京セラドーム大阪に家族と何度も足を運んだ。

「次、登板機会があったら投げきりたいです」。この日、球場では家族や地元大阪・和泉市の友人などが観戦。神奈川に居を移した18歳の次なる関西遠征は、多くの人を喜ばせる凱旋登板にしたい。