中学硬式野球5団体の今夏の全国大会優勝チームによるトーナメントが行われ、武蔵府中リトルシニア(リトルシニア代表=東京)が決勝戦で浜松北ボーイズ(ボーイズリーグ代表=静岡)を5-2で破り、初優勝した。リトルシニア代表が優勝するのは初めて。最優秀選手賞は準決勝で3安打を放った竹原廉人(武蔵府中)が選ばれた。
▼1回戦(27日)
SKポニー(ポニーリーグ代表=神奈川)3-2谷山イーグルス中等部(フレッシュリーグ代表=鹿児島)
▼準決勝
浜松北10-2 SK
武蔵府中4-3兵庫伊丹ヤング(ヤングリーグ代表=兵庫)
▼決勝
武蔵府中5-2浜松北
武蔵府中は準決勝の最終回に大ピンチを迎えた。1点リードの7回表の攻撃で無死満塁のチャンスをつかみながら、得点を奪えなかった。その裏、6回から救援していた「背番号1」高橋湊(3年)が先頭打者に左前打を浴びる。さらに一塁手の犠打野選で無死一、二塁。
次打者の強めの投ゴロで併殺を奪うかにみえたが、打球が髙橋のグラブの指の間にはさまってしまい、握り替えられず(記録は失策)無死満塁とした。「グラブはだいぶ使い込んでいたので、(紐が)緩くなっていました…」というアクシデントだった。
一打逆転の大ピンチ。迎えた4番朝山治輝(3年)の一撃はセンター正面のフライだった。犠飛で同点…と思われたが、二、三塁の走者が飛び出し、センターからの返球で二塁走者が戻り切れず2死一、三塁に。最後の打者を遊ゴロに仕留め、決勝に進出した。
高橋はそのまま40分後にダブルヘッダーで行われた浜松北との決勝に先発。5回表2死まで2失点の好投で、折原紬太(3年)にバトンを渡した。
折原は準決勝に先発しながら、1回途中で1死しか奪えず降板していた。「緊張もしましたが、今度こそ抑えてやろうって気持ちと半々ぐらいでした」と、3点リードのマウンドで力強い投球を披露。2回3分の1を1人の走者も許さず締めくくった。
武蔵府中は8月6日にリトルシニア日本選手権で優勝。21年ぶりの歓喜につつまれたが、同大会MVPに選ばれた右腕小田基生(3年)をけがで欠くなど、6日後のジャイアンツカップ2回戦で多摩川ボーイズに敗れた。小田は今大会も登板できなかったが、高野煌大主将(3年)は「自分たちが集中力を欠いた部分があった。もうこの大会しか残っていなかったので、絶対にとりたかった」。準決勝はロングリリーフで好投するなど、大黒柱不在をカバーするフル回転だった。
今大会のMVPに選出された竹原は「笑って終わろうと、みんなで話し合っていた。その通り、アウトになってもみんな笑ってプレーする姿が見せられたのがうれしいです」と話した。
リトルシニア代表は今大会が始まった4年前から昨年まで、世田谷西が連続出場していた。毎年、日本選手権直後のジャイアンツカップと、1カ月間に3つの全国大会に臨むハードな日程の影響と、「打倒シニア」に燃える各リーグ代表の気迫あふれるプレーの前に、すべて初戦で敗退していた。
ともに、50年以上中学硬式野球を支えてきたボーイズリーグ代表との対戦も初めて実現した。「真の日本一決定戦」を掲げて始まった「エイジェックカップGCS」にシニアの初勝利と初優勝という、新たな歴史が刻まれた。
◆表彰選手 【最優秀選手賞】竹原廉人(武蔵府中リトルシニア)、【優秀選手賞】高野煌大(武蔵府中)、齋藤倖次郎(浜松北)、【敢闘選手賞】外崎凌雅(SK)、樋口真大(兵庫伊丹)、関本隼真(谷山イーグルス中等部)



