西武が来季野手チーフコーチとして今季までソフトバンクでバッテリーコーチを務めた大石友好氏(54)の招聘(しょうへい)に動いていることが5日、分かった。野手陣を総合的に統括し、打撃面や作戦面でも渡辺監督をサポートするポストに入閣要請する。この人事に伴い、知人女性暴行の疑いで書類送検された大久保博元打撃コーチ(41)が現場を更迭され、フロント入りする可能性が出てきた。

 シーズン終了後、長引いていたコーチ人事に動きがあった。当初は渡辺監督以下、現体制の維持を基本線に来季に臨むはずだった。しかし、傷害容疑などドラブルを起こした大久保コーチの責任を追及する声が、球団内に挙がっていた。若いチームの打撃力を開花させるなど就任1年目から結果を出したこともあり、今後の処遇で残留か配置転換で意見が割れた。11月末にも発表できる予定だった来季スタッフが、先延ばしになっていた。

 騒動後、球団イベントを自粛していた大久保コーチは「すべて監督に一任している。監督がやれといったところで、なんでもやるつもり」と覚悟を決めている。また、ここにきて育成手腕に定評のあるOBの大石氏を招聘する方針。今季は04年以来の日本一に輝いたが、チーム方針と合わなかった黒江ヘッドコーチが辞任。来季はヘッドコーチのポストを置かず、若手の多い野手陣をまとめる野手チーフコーチの人選を進めていた。そのポストには大久保コーチが兼任する構想もあったが、騒動の責任をとる形でフロントの編成部入りなどが検討されている。西武の人事問題は、大久保コーチの出直しという形で収まりそうだ。