「こんなボールあったっけ」-。ロッテ渡辺俊介投手(32)が2日、ブルペンで投じた球に、受けた橋本が反応した。それがWBC使用球での変化の軌道をつかんだ瞬間だった。「こんなにはやく軌道をつかめるとは思わなかった。落ちる球は落差が大きく、曲がる球は小さくなる」。スライダーは打者の手元で曲がるカットボールに生まれ変わり、橋本を驚かせた。

 WBC使用球を完全に自分のものにした。1月の自主トレ中に、重さの違う3個のボールを手に入れた。日本や米国のボールに近い5オンスの球と、4オンス、6オンスの3種類。6オンスのボールを投げてから、WBC使用球を投げると、重さの違いには簡単に対応することができた。4オンスは大会後、日本に戻ってきた時に日本のボールの軽さを感じなくするために使う予定。ボールへの不安はなくなった。

 新軌道の変化球は、宮崎合宿で打者に対して試す。「反応とかを確認したい」と、その時までに、さらに精度を上げる。各国代表が持つ渡辺俊のデータが、シーズン中の投球ならば、それは役に立たないだろう。日本が誇るサブマリンは、WBC仕様に変ぼうをとげた。【竹内智信】

 [2009年2月3日8時39分

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