セットアッパー候補の株価が停滞中だ。ソフトバンクの新外国人ブライアン・ファルケンボーグ投手(31)がヤクルト戦の8回に登板。先頭宮出を内角高め149キロで空振り三振に切ったまでは良かったが、その後は連続四球。畠山を投ゴロ併殺に打ち取ったが、不安要素をさらけ出した。高山投手コーチは「全体的に(能力の)マックスが見えてこない」と返答に窮したような表情を浮かべた。

 200センチの長身から最速98マイル(約157キロ)を誇る直球とカーブ、フォークボールを軸に組み立てたが、制球力を欠いた。1死一塁から武内をカウント2-1と追い込みながら3球ファウルで粘られると、3連続ボールで歩かせた。続く畠山もカーブが2球低めに外れ、5球連続ボール。打者4人のうち、3人にフルカウントまで投げた。最終回に登板した7日巨人戦も2四球と内野ゴロで失点。なかなか、首脳陣の信頼度を上げることができない

 ソフトバンク投手陣の課題は守護神馬原へのリレーにある。高山コーチは「8回の1イニングをきっちり投げることができる投手を確立する」と秋季キャンプから口にしてきた。ファルケンボーグはその筆頭候補。昨年ドジャース傘下3Aラスベガスでは32試合に登板して1勝1敗13セーブ、35回で41三振と奪三振数が投球回を上回った実力の持ち主だ。開幕まで3週間以上と修正時間はまだある。今後は本拠地で戦う17日以降に連投テストを行う予定だが、今季を占う重要なポストの“人事”はまだ流動的だ。【押谷謙爾】

 [2009年3月11日10時18分

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