<ヤクルト2-5広島>◇2日◇神宮

 ヤクルトが痛い星を落とした。勝てば3位阪神に並べた広島戦で競り負け、ゲーム差は1に広がった。1点を追う6回にジェイミー・デントナ内野手(27)の中前適時打で同点とし、7回にも野口祥順内野手(28)の中犠飛で追いついたが、8回に栗原に左翼ポールをかすめる決勝3ランを打たれ3連敗となった。クライマックスシリーズ(CS)進出残り1枠をめぐる三つどもえの争いは、阪神から4連勝の5位広島まで2ゲーム差で大混戦が続く。

 ヤクルトは、気迫負けで痛恨の3連敗を喫した。8回無死一、三塁。CS進出争いから1歩後退を告げる栗原の打球が、真っ赤に染まった左翼席へ消えると、ナインはぼうぜんと立ち尽くした。高田繁監督(64)はこの場面について報道陣から聞かれると無言になるなど、ショックの色が濃くにじんだ。

 序盤から広島前田健の力のこもった投球に抑え込まれるなど、逆転CS出場を狙う相手の気迫の前にペースを握られた。2度同点に追いついたが「勢いがあるとひっくり返せるんだけど…」と同監督もこぼしたように、勝負どころであと1本が出ずに勝機を逃した。

 大事な時期にきて負傷離脱も相次いでいる。宮本は「試合に出たら痛みは関係ない」と、右手親指裂離骨折を押して出場も、ガイエルは体調不良で欠場。6回の走塁で左ふくらはぎ痛を訴えた田中も途中交代するなど、指揮官は「元気な選手でやるしかない」と淡々と話した。

 3日には3位阪神との直接対決に臨む。勝つしかCSへの道は開けないだけに、青木も「最後の最後まであきらめずに頑張りたい」と言い切った。CS出場への思いがより強いチームへ勝利の女神がほほえむだけに、強い気持ちを持って甲子園へ乗り込む。【松本俊】

 [2009年10月3日9時13分

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