ソフトバンクのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)先発ローテーションが5日、決定した。楽天3連戦(16日~18日、開催地未定)に杉内とホールトン、そして空白だった第3戦に和田毅投手(28)の起用が決まった。開幕投手を務めながら3カ月間の負傷離脱を味わった左腕はリーグ最終戦となる11日楽天戦(Kスタ宮城)にも先発。同戦に個人タイトル争いをかけて杉内がリリーフ待機するプランもあり、両左腕の豪華リレーが見られる可能性もある。

 リーグ優勝を逃した今、CSを勝ち上がっての日本シリーズで日本一になるしか目標はない。その第1関門となる楽天との第1Sに先発する3投手が決まった。この日の福岡ヤフードームでの全体練習後、高山投手コーチが惜しげもなく披露した。「杉内とホールトンは外せない。それでやられたら仕方ない。和田?

 (CSは)目に見えないプレッシャーがあるだろうけど、それに耐えうる投手だ」。杉内とホールトン。そして今季3勝ながら通算73勝と実績ある和田がトリを務める。

 第2戦で決着がつけば登板はないが、重圧のかかるマウンド。もちろん調整舞台が用意された。リーグ最終戦となる11日楽天戦だ。ここに和田を先発させ、中6日で18日の第3戦に送り込む。ソフトバンクと楽天の勝敗次第ではCS地元開催権(2位)がかかる大一番になるが、和田は「そうなるといいですね」と緊張のマウンドを歓迎した。

 復調気配を示した前回9月29日楽天戦から中11日と登板間隔が空くことも関係ない。「そんな事は言ってられない。最後まで頑張りましょう。ゆっくりなんてしていられない。あと2試合だし。状態は悪くないので下がらないようにしたい」。

 今季は左ひじ痛などで3カ月の離脱を味わい、苦しいリハビリを挟んで9月上旬に1軍に合流。ただ中継ぎも含めて5試合の登板で復帰初勝利はついていない。開幕投手を務めた左腕に最終戦が巡ってくるのも運命的。ここでの勝利でCSへ弾みをつける。

 この最終戦は豪華リレーが実現する可能性もある。現在、同級生の杉内が西武涌井と最多勝、勝率、奪三振の個人タイトルを争っている。特に199三振で杉内を6個リードする涌井を、6日に杉内が抜きされば、残り試合に登板する可能性がある。高山コーチは「あくまでも個人よりチームの勝利。ただ1年間頑張って、そういうチャンスがあるなら取らせてあげたい」と話し、状況次第で杉内をリリーフさせるタイトル獲得プランも明かした。

 [2009年10月6日11時11分

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