広島マイク・シュルツ投手(30)が15日、宮崎・日南入りした。1月末に第3子が生まれたことなどから来日が遅れていた。昨季セットアッパーとして35ホールドを挙げた右腕は、ルイスが抜けた投手陣の穴を埋めることに意欲満々。「(ルイスの替わりに)もし先発をやれと言われたら10勝以上勝ってみせる」と言い切った。頼れる助っ人は、16日からチームに合流する。

 約2週間遅れでキャンプインしたシュルツは、自信満々だった。昨季、セットアッパーとして35ホールドを挙げ、40ホールドポイント(HP)は山口(巨人)に次ぐリーグ2位。残した実績が助っ人右腕をさらにたくましくした。

 「常に自信を持って投げているが、いい数字を残せばより自信になる。それに、日本の野球や打者についても分かってきた」。

 チームは野村監督を迎えて体制を一新。一方で、昨季11勝したルイスが米大レンジャースへ移籍し、先発陣に大きな穴が開いた。友人だったルイスがチームを去ったことに「とても残念」というシュルツがきっぱりと穴埋めを誓った。

 「彼の抜けた穴を自分が埋めようという気持ちはとても強い。もし、首脳陣が先発をやってくれというのなら、自信を持ってルイスの分を埋めてみせる。中継ぎをやれというなら、そこで全力を出すつもりだ。先発なら10勝以上してみせる」。

 シュルツは01、02年に右肩を痛めて2度手術を受けた。患部への負担が少ないことから術後は中継ぎに回ったが、マイナー時代に通算22試合の先発経験がある。「手術したのはだいぶ前のことだから、先発でも問題はない」と後遺症はなさそうだ。

 野村監督はこの日、シュルツの起用法は大野ヘッド兼投手コーチと話し合い、コンディションなどを見て決める方針を明かした。中継ぎ陣も層が厚いとはいえず、シュルツの先発転向の可能性は高くないが「どの役割でもチームの勝利に貢献したい」という助っ人の心意気は買える。

 来日が遅れたのは、1月末にサラ夫人が第3子となる女の子・ゾイちゃんを出産したためだった。だが、そんな中でも戦う準備はしっかり進めていた。母校のロヨラ・メリーマウント大で、キャッチボールやウエートトレ、ランニングなど体を動かし、ブルペンでの投げ込みも6度行った。「コンディションは上がっていて、もう試合形式の練習にも入っていけるくらいだ。早く仲間と一緒にやりたい」とテンションも高く、チーム合流を心待ちにしていた。【高垣誠】

 [2010年2月16日11時2分

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