日本ハム・ダルビッシュ有投手(23)の「お見合い」が本格スタートする。18日の韓国SK戦(名護)で先発予定で、今季初の実戦登板。専属捕手的な存在だった鶴岡ではなく、大野奨太捕手(23)と初めてバッテリーを組むことが濃厚になった。相性テストを実施し、今後のチーム強化の新たな可能性を探る方針。16日はブルペン投球で最終調整し、試運転の準備を完了した。

 出会いの春が到来する。ダルビッシュが、恋するかどうか-。韓国SK戦で、2年目の同い年、大野とバッテリーを組むことになった。今季初の実戦マウンドは2イニングを予定。自身の調整、新女房役候補との相性テストも行われる。中嶋兼任バッテリーコーチは「(先発マスクは)大野になると思う」と、テスト起用する方針を明かした。

 未来的なチーム改革の可能性もある「お見合い」だ。これまでダルビッシュの先発時は、鶴岡とコンビを組んできた。試合前に入念に打ち合わせを行い、試合中は投手が投球の組み立ての優先権を持つという特殊なスタイル。相性抜群だったが、将来性を評価している大野を今季は積極起用していく方針。避けては通れないエースとのタッグを早速、試す。

 昨季はダルビッシュがWBC出場のためキャンプ、オープン戦を通じて、そのチャンスがないままシーズンへ突入。大野とは組むことがないまま1シーズンを終えた。すでに好相性がはっきりしている鶴岡とは、初実戦のSK戦は「発展的解消」となる。

 大野にとっては、今キャンプで積極的に投球練習の相手役を務めるなど「求愛」してきたことが、実った形だ。ブルペンでの最終調整となったこの日も「疲れ果てて全然ダメ」と言う、満身創痍(そうい)のエースをもり立て、66球の投げ込みを完遂させた。

 梨田監督は、この日の段階で明言は避けたが「気持ち的には大野と組ませてみたい」と、新たな恋のキューピッド役に意欲的。大野も「カーブの抜けが良くなってきていて調子がいい」と胸を躍らせた。2人の恋の炎は燃えるのか、まずはドキドキの“初デート”になる。【高山通史】

 [2010年2月17日9時33分

 紙面から]ソーシャルブックマーク