巨人さんにびびってます-。阪神城島健司捕手(33=マリナーズ)が、10日のオープン戦巨人戦(皇子山)を見据え、移籍後初めて宿敵について語った。巨人とは、05年交流戦以来の対戦。当時とは選手も大幅に入れ替わり、昨季ブレークした坂本、松本には「脅威ですね。びびってます」。弱気?

 いえいえ、これがジョー流の自信の裏返しなんです。強い相手だからこそ燃えてくる。ライバルの強さが城島のパワーになる。

 城島は、逆説的に自信をのぞかせた。「脅威ですね。びびってます」。宿敵巨人の出世頭、坂本と松本の名前を聞くと、素直に若い力を持ち上げた。だが、本心は違うはずだ。敵が強ければ強いほど燃える。城島をして「びびる」と言わしめた巨大戦力に堂々と立ち向かう。その先にある勝利をつかむために、背番号2は武者震いした。

 これまで城島は「(巨人は)避けては通れないチームではあるが、他に4チームもあるので」と、巨人に限定して話すことはなかった。だが、10日からは同一リーグのトップを切って巨人とオープン戦で顔合わせ。開幕も迫り、虎の宿敵を意識せざるを得ない時期にきた。

 城島自身、巨人とは05年交流戦以来の対戦。既にスコアラーから情報は入手しており、そこで得たデータから「脅威」は感じた。だが、ただ恐れているわけではない。「びびる」と公言したのは、城島流の自信の裏返し。ダイエー時代、「ON対決」で注目された巨人との日本シリーズ(00年)では、6試合で4本塁打するなど、注目されるほど結果を出してきた。

 チームに溶け込んだジョーのアンテナは、もはやチーム内にはとどまらない。「まずは自分のチームのピッチャーを知ることが大事」と言い続けていた男が、「プラスして相手のことを知れたら理想だけどね」とシーズン開幕まで20日に迫り、わずかながら欲をのぞかせた。9日日本ハム戦(京セラドーム)からは再び本隊に合流し、開幕まで全試合に出場する見込みだ。9日以降は、11試合中9試合がセ・リーグ球団との対戦になる。「雰囲気的には、同じ球場に行ったら、チームカラーも感じられる」。巨人など既にデータをインプットしているが、そこへ五感で得た情報を加えていく。

 この日は、室内練習場で軽めに汗を流した。ウオーミングアップ後、68スイングのフリー打撃を終えると、約1時間で練習を切り上げた。いよいよ本番に向けて最終段階。体と頭のすりあわせ作業に入っていく。

 [2010年3月7日12時47分

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