<広島9-5ソフトバンク>◇13日◇尾道

 カープが首位!

 広島が、ソフトバンクのエース杉内俊哉投手(29)に11安打を浴びせて9点を奪い快勝した。WBC左腕には前回2月27日の対戦で7三振していたが、目指すスキのない野球できっちりリベンジ。オープン戦とはいえ、6勝3敗で首位タイに浮上した。野村謙二郎監督(43)もイズム浸透に確かな手応え。早く開幕が来てほしい~。

 相手のミスを、今の広島は逃さない。1点を追う6回。1死三塁で、石原の三ゴロをソフトバンク李■浩が失策し同点とすると、末永が二塁打。代打松本の三ゴロを李■浩の本塁悪送球で労せず勝ち越し。さらに小窪、天谷が連打して杉内をマウンドから引きずり下ろした。この回、打者一巡の攻撃で5点を奪い、勝負を決めた。野村監督も納得顔だ。「ワンサイドになりそうなところをうまく盛り返してくれた」。一時は1-5と劣勢の試合を逆転した打線をたたえた。

 この日のソフトバンクにはミスが多かったが、そこを的確に突く野球も野村監督の目指すところだ。ましてや、相手のエース杉内には、2月27日の対戦で6連続を含む7個の三振を奪われ4回をわずか1安打に抑えられていた。1週間後に開幕を控え、本気モードの難敵から9点を奪っての逆転勝ちした意味は大きい。「うちの打線の状態が上がってきていることが確認できた。こちらの走塁の意識というか、ゴロへの反応で相手のミスも誘うことができた」と、キャンプから徹底させてきた走塁面の意識付けが結果に結びついたことを喜んだ。

 激しい定位置争いもチームを刺激している。この日、右ひざの疲れを考慮して休養した遊撃の梵に代わりスタメンの小窪は、6回の2点適時打など2安打2打点。「僕は少ないチャンスで結果を出さないといけない」と必死だ。外野のイスを狙う末永も右翼でスタメン起用され2長打。「杉内さんのような左のいい投手から打てばいいアピールになりますからね」と笑顔を見せた。指揮官も「まだまだ競争を続けてほしい。それでこちらが悩むのはいいことだよ」と大歓迎だ。

 チームは日本ハム、楽天と並び首位。セ・リーグのチームではトップを守っている。春の珍事とは言わせない必然の勝利を重ね、開幕へ突っ走る。【高垣誠】※■は木ヘンに凡

 [2010年3月14日11時36分

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